2026年6月にChatGPT広告の日本での配信が始まり、「社内にノウハウがないので代理店に任せたい」というご相談が急増しています。新しい広告面である以上、外部の知見を借りたいと考えるのは自然な判断です。
ただ、依頼先を探し始める前に、必ず知っておいていただきたい仕様があります。ChatGPT広告には現時点で、代理店が広告主のアカウントを開設・所有する仕組みが存在しません。 Google広告のMCCやMeta Business Managerに相当する構造がないのです。つまり、多くの方が想定している「アカウントごと預けて丸投げ」という依頼の形が、そもそも成立しません。
この記事では、その仕様を出発点に、代理店選びの7つの基準、おすすめ10社の比較、費用相場、契約前に確認すべきことまでを整理します。読み終えるころには、自社がどういう関わり方でパートナーを選ぶべきかが明確になっているはずです。
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目次
1. ChatGPT広告の代理店に依頼する前に知るべき「アカウントの仕様」

依頼先の比較よりも先に、この章を読んでください。ここを理解しているかどうかで、選ぶべき相手が変わります。
1-1. 代理店が広告アカウントを所有する仕組みは存在しない
従来のWeb広告では、代理店が広告主に代わってアカウントを開設し、まとめて管理するのが一般的でした。Google広告のMCC(マイクライアントセンター)や、MetaのBusiness Managerがその仕組みです。
しかしChatGPT広告には、2026年8月時点でこれに相当する機能がありません。OpenAIのヘルプでも、各事業者につきアカウント所有者が1人で広告アカウントを作成し、そこにメンバーを招待する流れが案内されています。複数アカウントを一元管理するグローバル管理者コンソールは実装予定とされていますが、現時点では利用できません。
つまり「代理店にアカウントごと預ける」という選択肢が、制度として用意されていないということです。
1-2. 事業主がアカウントを開設し、代理店をメンバー招待する形が基本
では実際にどう進めるのか。流れはシンプルです。
- 事業主(広告主)が ads.openai.com で広告アカウントを開設する
- そのアカウントに、代理店の担当者をメンバーとして招待する
- 代理店は招待されたメンバーとして、設計・入稿・運用に関わる
日本の事業主がセルフサーブでアカウントを作成し配信まで進められるようになったのは、2026年6月28日からです。それ以前は表示のみが先行しており、国内の広告主が自ら出稿する経路はありませんでした。
したがって代理店へ依頼する場合も、最初のステップは「代理店に頼む」ではなく「自社でアカウントを作る」になります。ここを理解していないと、初回商談で話が噛み合いません。
1-3. この仕様がもたらすメリット|パートナーを変えても資産が残る
一見すると手間が増えたように思えますが、広告主にとっては大きな利点があります。
アカウントの所有権が自社に残るという点です。従来のWeb広告では、代理店を変更する際にアカウントの移管交渉が必要になったり、蓄積した配信データや学習が引き継げなかったりするケースがありました。ChatGPT広告では、アカウントが最初から自社のものなので、パートナーを変えても運用資産はそのまま残ります。
新しい媒体で、まだ誰の実績も確立していない領域です。最初に選んだ相手が最適解でなかったときに、身軽に乗り換えられる構造は、リスク管理の観点でむしろ望ましいと言えます。
1-4. 「運用代行」と「伴走コンサルティング」の違い
以上を踏まえると、ChatGPT広告における外部パートナーの関わり方は、実質的に次の形になります。
| 従来型の運用代行 | ChatGPT広告での伴走型 | |
|---|---|---|
| アカウント所有 | 代理店が開設・保有するケースが多い | 必ず事業主が保有 |
| 代理店の立場 | アカウント管理者 | 招待されたメンバー |
| ノウハウの蓄積先 | 代理店側に偏りやすい | 事業主側に残りやすい |
| 契約終了時 | 移管交渉が必要な場合がある | アカウントはそのまま自社に残る |
| 適した契約形態 | 長期の運用委託 | 短期から始める設計・伴走契約 |
「代行」という言葉で探すと期待値がずれます。設計と検証を一緒に進めてくれる相手を探している、という前提で商談に臨むのが正解です。
2. ChatGPT広告を代理店に依頼するメリット・デメリット

自社だけで進めるか、外部に依頼するか。判断材料を整理します。
2-1. メリット①|コンテキストヒント設計の経験値を借りられる
ChatGPT広告のターゲティングは、キーワードではなくコンテキストヒントで行います。自社の商材が関連しそうな会話や状況を、自然言語のフレーズで記述する方式です。
これは検索広告のキーワード選定とはまったく別のスキルです。ユーザーがChatGPTに向かって書く言葉は、検索窓に入力する言葉より長く、具体的で、口語的です。この言語感覚に寄せられるかどうかが配信精度を左右します。すでに複数案件で試行錯誤している相手の経験値は、ここで効きます。
2-2. メリット②|計測基盤(ピクセル/CAPI)の実装を任せられる
ChatGPT広告では、JavaScriptピクセルまたはConversions API(サーバー間連携)による計測実装が必要です。さらに、コンバージョン最適化キャンペーンを使うには、有効なコンバージョンイベントが最低1件流れていることが前提になります。
つまり計測基盤が整っていない状態では、そもそも最適化機能を使えません。 社内に開発リソースがない場合、ここを任せられる価値は大きいと言えます。
2-3. メリット③|審査・ポリシー対応のリスクを下げられる
日本では業種による制限があります。政治・成人向け・たばこ・ギャンブル・武器・誤認を招く広告などは禁止または制限の対象です。医療・金融・法務といった規制業種は一律禁止ではなく、広告主や広告内容に応じた個別審査の対象になります。
加えて、OAI-AdsBotによる遷移先ページの検証も通す必要があります。アカウントを開設できても配信できるとは限らないため、審査の勘所を知っている相手がいると立ち上がりが早くなります。
2-4. デメリット①|「実績豊富」な代理店は原理的に存在しない
冷静に考えてください。日本での配信開始は2026年6月19日、セルフサーブ開放は6月28日です。この記事の執筆時点で、日本国内の運用歴は最長でも2か月程度です。
したがって「ChatGPT広告の実績豊富」という訴求は、額面どおりには受け取れません。米国での先行事例に触れているか、自社で実際に配信して検証しているか、といった具体性で判断する必要があります。
2-5. デメリット②|社内にノウハウが残らない契約形態もある
アカウントが自社に残るとはいえ、設計の意図や検証の考え方がすべて代理店側にとどまってしまえば、実質的な依存は変わりません。なぜこのコンテキストヒントにしたのか、なぜこの指標を見ているのかが共有されない契約は、長期的には不利になります。
新しい媒体だからこそ、外部の知見を取り込みながら社内にも蓄積していく形が理想です。
3. ChatGPT広告の代理店の選び方【7つの基準】

商談時に確認すべき項目を、優先度順に整理しました。
3-1. 基準1|アカウント所有権が自社に残る契約か
最優先です。第1章のとおり仕様上は自社所有が前提ですが、契約書の書き方によっては運用権限が実質的に固定されることもあり得ます。アカウント所有者を自社の担当者にすることを、契約前に明文化しておいてください。
3-2. 基準2|最低契約期間は3ヶ月以内から試せるか
ChatGPT広告は仕様変更が頻繁で、成果が読めない段階の媒体です。この状況で6か月・12か月の長期契約を求められるのは、リスクの偏りが大きすぎます。
まずは3か月程度の検証期間からスタートし、結果を見て本契約に移行できる構成を提示してくれる相手を選びましょう。解約予告期間もあわせて確認してください。
3-3. 基準3|計測設計(ピクセル/Conversions API)に対応できるか
「配信は得意だが計測は御社側で」という切り分けだと、結局は成果が分からないまま終わります。ピクセルとConversions APIの違いを説明でき、自社の環境に応じた実装方針を出せるかを、初回商談で確認してください。
ChatGPT広告では、ユーザーがアプリで相談し、ブラウザで比較し、別デバイスで購入するといった行き来が起きやすいため、サーバー間連携の重要性が特に高くなります。
3-4. 基準4|コンテキストヒントの設計思想を語れるか
ここは相手の力量が最も出る質問です。「どうやってコンテキストヒントを設計しますか」と聞いて、キーワードリサーチの延長で答える相手は要注意です。
良い回答は、顧客がChatGPTにどんな相談を投げるかという行動仮説から入ります。自社の顧客理解を引き出そうとしてくる相手であれば、期待できると考えてよいでしょう。
3-5. 基準5|AIO/LLMO対策まで一体で見られるか
詳しくは第7章で述べますが、ChatGPT広告で買えるのは広告枠だけです。AIの回答本文で自社が推薦される状態は、広告費では買えません。 広告で認知したユーザーがあらためてAIに尋ねたとき、自社が回答に出てこなければ、生み出した検討を競合に取られます。
広告とAI検索対策を分断せず、一体で設計できる相手かどうかは、中長期の成果を大きく左右します。
3-6. 基準6|レポートに何が含まれるか
インプレッション・CTR・CPC・CV数だけのレポートは最低ラインです。この媒体では、どのコンテキストヒントが効いたか、審査で弾かれた項目は何か、次月のクリエイティブをどう変えるかまで含まれてはじめて改善につながります。
商談時にサンプルレポートを見せてもらってください。
3-7. 基準7|内製化まで見据えた支援か
第2章のデメリット②で触れた論点です。アカウントが自社にある以上、最終的には自社で回せる状態が最も強い構造になっています。
「ずっと任せてください」ではなく「半年後には御社で判断できる状態にします」と言える相手を選ぶと、費用対効果は大きく変わります。
4. ChatGPT広告の代理店おすすめ10社比較
ここからは具体的な依頼先候補です。日本でのローンチパートナーとして名前が挙がった大手3社と、AI検索領域に強みを持つ専門・専業7社に分けて整理します。
※ 各社の情報は2026年8月時点の公開情報および各社発信に基づく整理であり、順位付けや成果を保証するものではありません。料金は個別見積もりが基本のため、本記事では記載していません。相場観は第5章をご参照ください。
| 会社名 | 区分 | 主な強み | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| バクリ株式会社 | 専門 | AIO/LLMO対策 × 運用広告 × インハウス化支援 | 広告とAI検索対策を一体で設計し、社内に運用力を残したい企業 |
| 電通デジタル | 大手 | 統合マーケティング、大規模案件の体制 | ナショナルクライアント規模で横断的に進めたい企業 |
| 博報堂DY ONE | 大手 | デジタル領域の総合支援、メディアバイイング | ブランド戦略と連動させたい企業 |
| サイバーエージェント | 大手 | インターネット広告全般、AI広告領域への投資 | 大規模な運用型広告と併走させたい企業 |
| アナグラム株式会社 | 専業 | 運用型広告専業、仕様変更の継続的な検証と情報公開 | 運用型広告の精度を最優先したい企業 |
| シュワット株式会社 | 専門 | LLMOコンサルティング、コンテンツ制作 | オーガニックのAI検索対策と併せて進めたい企業 |
| 株式会社アドカル | 専門 | 広告・LP・LLMOの一気通貫設計、少数精鋭 | 限られた予算で小さく検証したいBtoB・EC |
| 株式会社仁頼 | 専門 | GEO/LLMO主軸、コンサルティング型の伴走 | 自社アカウント運用を前提に伴走を求める企業 |
| デジタルアスリート株式会社 | 専業 | 運用型広告の支援実績、自社配信データの公開 | 既存の運用型広告と横断で改善したい企業 |
| 株式会社はこ | 専業 | 自社で配信を開始し運用手順を公開 | 実務レベルの具体的な進め方を求める企業 |
バクリ株式会社

広告とAI検索対策を分断しない。そして最後は自社で回せる状態にする。
バクリ株式会社は、AIO(AI最適化)/LLMO対策とWebマーケティングのインハウス化支援を専門とする、東京・渋谷のマーケティング会社です。ChatGPT広告のような新しいペイドチャネルと、AIの回答で引用・推薦されるためのオーガニック施策を、切り離さずに設計する点を特徴としています。
強み①|海外R&D体制 専門のR&Dチームが、AIO研究が先行する海外の最新事例・論文・ツールを常時収集し、日本企業向けにローカライズして提供しています。日本での運用実績がまだ蓄積されていない領域では、先行市場の知見が判断材料になります。
強み②|独自のAI引用可視化ツール ChatGPT・Gemini・Perplexity等の主要AIにおける自社ブランドの言及状況をモニタリングできる独自ツールを保有しています。広告の効果測定では見えない「AIの回答に出てくるか」を、データで追える体制を組めます。
強み③|インハウス化まで一貫支援 コンサルティングに留まらず、ノウハウ提供から実務教育まで伴走し、社内で自走できる体制の構築を支援します。アカウントが事業主側に残るChatGPT広告の仕様とは、相性のよい進め方です。
サービス内容:AIO/LLMO対策コンサルティング、AI引用可視化によるモニタリング、コンテンツ設計、構造化データ・llms.txt等の技術実装支援、外部メディア対策、インハウス化支援
こんな会社におすすめ:ChatGPT広告を試したいが、広告単体ではなくAI検索全体での見え方を含めて設計したい企業。将来的に社内で運用を回せる状態を目指したい企業。
公式サイト:https://www.bakuri.co.jp/
電通デジタル

日本でのChatGPT広告提供を、最初期から支えた大手の一角。
電通デジタルは、電通グループのデジタルマーケティング領域を担う中核企業です。ChatGPT広告の日本での提供開始にあたっては、OpenAIが連携するパートナーとして報道で名前が挙がりました。新チャネルの立ち上がり局面から関わってきた立場にあります。
強み①|ローンチ初期からの関与
日本での提供開始時点でパートナーとして名前が挙がった数少ない企業の一社です。仕様や審査運用について、早い段階から情報に触れられる立場にあると考えられます。
強み②|統合マーケティングの体制
戦略立案からクリエイティブ、メディア、データ活用まで、幅広い機能を社内に備えています。ChatGPT広告を単独施策ではなく、コミュニケーション全体の一部として位置づけたい場合に対応しやすい体制です。
強み③|大規模案件の実行力
ナショナルクライアント規模の案件を扱う体制とプロセスを持ちます。複数チャネル・複数ブランドを横断して管理する必要がある場合に適しています。
サービス内容:デジタルマーケティング戦略立案、運用型広告の企画・運用、クリエイティブ制作、データ活用・分析基盤の構築、CRM/MA支援など
こんな会社におすすめ:ナショナルクライアント規模で、ChatGPT広告を既存の統合マーケティング施策の一部として横断的に管理したい企業。
公式サイト:https://www.dentsudigital.co.jp/
博報堂DY ONE

ブランド戦略とデジタル実行を、ひとつの線でつなぐ。
博報堂DY ONEは、博報堂DYグループのデジタルマーケティング領域を担う統合会社です。同社もChatGPT広告の日本での提供開始にあたり、パートナーとして名前が挙がった一社です。メディアバイイングからデジタル実行支援まで、幅広い機能をカバーしています。
強み①|ローンチ初期からの関与
日本での立ち上がり局面でパートナーとして名前が挙がっており、新チャネルの初期知見に触れられる立場にあります。
強み②|ブランド戦略との接続
博報堂DYグループの知見を背景に、ブランドの世界観やコミュニケーション戦略と、運用型広告の実行を接続させる設計が可能です。ChatGPT広告は会話の文脈に沿って表示されるため、ブランドとしてどの文脈に現れたいかという設計思想が問われます。
強み③|メディア横断の実行力
デジタル領域を中心に、複数メディアを横断した出稿・運用の体制を備えています。
サービス内容:デジタル広告のプランニング・運用、メディアバイイング、コンテンツ・クリエイティブ制作、データマーケティング支援など
こんな会社におすすめ:ブランド戦略と広告運用を一体で進めたい企業。マス施策とデジタル施策の連動を重視する企業。
公式サイト:https://www.hakuhodody-one.co.jp/
サイバーエージェント

AI広告領域への継続投資が、そのまま新チャネルへの初速になる。
サイバーエージェントは、インターネット広告事業で国内最大級の規模を持つ企業です。ChatGPT広告の日本提供開始時にパートナーとして名前が挙がっており、かねてよりAIと広告の掛け合わせ領域に投資を続けてきた実績があります。
強み①|インターネット広告の事業規模
国内最大級の取扱規模を持ち、多様な業種・商材での運用経験が蓄積されています。ChatGPT広告を既存の大規模な運用型広告と並行して検証する場合、比較の土台を持っている点は有利に働きます。
強み②|AI領域への継続的な投資
広告制作・運用へのAI活用に早くから取り組んできた企業です。AI会話型の広告面という新しい領域に対し、社内の技術的な素地があります。
強み③|クリエイティブ制作体制
ChatGPT広告は見出し・説明文が極めて短く、専用のコピー設計が求められます。大量のクリエイティブ検証を回せる体制は、この媒体の特性と噛み合います。
サービス内容:インターネット広告事業(運用型広告の企画・運用)、広告クリエイティブ制作、AI技術を活用した広告ソリューション開発など
こんな会社におすすめ:既存の大規模な運用型広告と並走させながら、ChatGPT広告を検証したい企業。
公式サイト:https://www.cyberagent.co.jp/
アナグラム株式会社

仕様が変わり続ける媒体を、変わるたびに検証し続けている。
アナグラム株式会社は、運用型広告に特化した専業代理店です。ChatGPT広告については、日本での広告アカウント開設可否、代理店側でアカウントを所有できない仕様、地域ターゲティングの都道府県単位への対応など、変更のたびに更新履歴つきで情報を公開しています。
強み①|運用型広告の専業性
運用型広告に領域を絞った専業体制です。媒体特性の理解と入札・クリエイティブの改善サイクルに強みがあります。
強み②|仕様変更への追随力
ChatGPT広告は発展途上のプラットフォームで、月単位で機能が追加されています。同社は変更点を随時検証して公開しており、**この媒体で最も重要な「変化を追い続ける姿勢」**が可視化されています。依頼先を選ぶ際の判断材料として、公開情報の更新頻度は有効な指標です。
強み③|情報公開による透明性
仕様の制約や「できないこと」も含めて公開しています。過度な期待値を作らない発信姿勢は、新チャネルのパートナー選びにおいて信頼の材料になります。
サービス内容:運用型広告のアカウント設計・運用、広告アカウント診断、クリエイティブ改善、インハウス支援など
こんな会社におすすめ:運用型広告としての精度と、媒体仕様への理解度を最優先したい企業。
公式サイト:https://anagrams.jp/
シュワット株式会社

オーガニックのAI検索対策で積んだ知見を、広告側にも通す。
シュワット株式会社は、LLMOコンサルティングとコンテンツ制作を提供する企業です。ChatGPT広告についても、日本上陸後の出稿方法や代理店が知るべき制約を詳細にまとめた解説を公開しています。
強み①|LLMOコンサルティングの提供実績
AI検索で引用・言及されるためのオーガニック施策を主力サービスとして提供しています。同社の発信によれば、自社ブランド「記事作成代行ウルトラ」がSEO業界でAIブランドメンション数1位を獲得したとしています。
強み②|AI経由の露出を増やした支援事例
同社の発信によれば、大手SaaS企業においてAI経由のメンション量が約4倍に増加した実績があるとしています。広告以外の経路でAIに露出させる知見を持つ点が特徴です。
強み③|コンテンツ制作機能を内包
記事制作代行のサービスを自社で運営しており、AIに引用されるコンテンツの設計・制作を実行レベルまで担えます。
サービス内容:LLMOコンサルティング、SEO・コンテンツ制作代行、AI検索最適化の支援など
こんな会社におすすめ:ChatGPT広告と並行して、オーガニックのAI検索対策・コンテンツ制作まで一括で任せたい企業。
公式サイト:https://shwat.jp/
株式会社アドカル

少数精鋭で、小さく速く検証を回す。
株式会社アドカルは、広告・LP・LLMOを一気通貫で設計することを掲げる企業です。ChatGPT広告は会話の文脈との関連性が配信に影響するため、広告単体の最適化だけでは成果が頭打ちになりやすいという課題認識のもと、周辺まで含めた全体設計を提供しています。
強み①|広告とLLMOを分断しない設計
広告運用、ランディングページ、ブランド情報の整備までを同じ設計思想で扱います。「AIに正しく読み取られる状態」をつくるという観点を、広告施策と切り離さずに持っている点が特徴です。
強み②|運用型広告と生成AI活用の両面知見
同社の発信によれば、代表は電通デジタル出身で、運用型広告と生成AI活用の双方に知見を持つとしています。
強み③|少数精鋭による伴走
大規模な組織体制ではなく、少数精鋭で初期設計から改善まで伴走するスタイルです。意思決定と改善のスピードが出やすく、限られた予算での検証フェーズと相性がよいとされています。
サービス内容:運用型広告の設計・運用、LP制作・改善、LLMO/AI検索対策の設計支援など
こんな会社におすすめ:まずは限られた予算で小さく検証を始めたいBtoB企業・EC事業者。
公式サイト:https://www.adcal-inc.com/
株式会社仁頼

「代行」ではなく「伴走」。仕様に忠実な立て付け。
株式会社仁頼は、GEO/LLMO対策を主軸に、AI検索時代のマーケティングを支援する企業です。ChatGPT広告については、アカウントを預かる「運用代行」ではなく、事業主自身のアカウントに伴走する「コンサルティング型」で支援する方針を明示しています。
強み①|仕様に沿った支援形態
第1章で述べたとおり、ChatGPT広告には代理店がアカウントを所有する仕組みがありません。同社はこの制約を前提に支援形態を設計しており、媒体の仕様と契約の形が整合している点は評価できます。
強み②|GEO/LLMOを主軸とした専門性
AIに引用されるためのオーガニック施策を本業としており、ペイドとオーガニックの役割分担を前提に相談できます。
強み③|初回相談の設計が明確
広告の目的、顧客がChatGPTに相談する場面、現在の計測環境の3点を整理して持ち込むよう案内しています。この3点目がそのままコンテキストヒントの原案になるという説明は、媒体理解の深さを示しています。
サービス内容:GEO/LLMO対策コンサルティング、ChatGPT広告の設計・運用伴走、AI検索時代のマーケティング支援など
こんな会社におすすめ:自社アカウントでの運用を前提に、設計面の伴走を求める中小〜中堅企業。
公式サイト:https://jinrai.co.jp/
デジタルアスリート株式会社

自社で出して、結果を公開する。検証姿勢が見える一社。
デジタルアスリート株式会社は、2011年創業の運用型広告支援企業です(旧・株式会社リスティングプラス)。ChatGPT広告についても、自社で実際に配信して得られた結果と所感を含む解説を公開しています。
強み①|運用型広告の支援実績
同社の発信によれば、これまで2,400社を超える企業の支援に携わってきたとしています。リスティング広告を中心に、幅広い業種での運用経験があります。
強み②|自社での配信検証
ChatGPT広告について、一次情報を交えた解説を公開しています。外部情報の整理にとどまらず、自ら出稿して検証している点は、実績が確立していないこの領域で有効な判断材料になります。
強み③|インハウス支援メニューを保有
運用代行だけでなく、セミナーやコンサルティングを通じたインハウス支援を事業として提供しています。アカウントが自社に残るChatGPT広告の仕様とは、方向性が合致します。
サービス内容:総合マーケティング支援、運用型広告の運用代行、LP・サイト・動画制作、インハウス支援など
こんな会社におすすめ:既存の運用型広告と横断で費用対効果を改善しながら、ChatGPT広告も検証したい企業。
公式サイト:https://ppc-master.jp/
株式会社はこ

社数を絞り、チームを組む。実務の手順まで開示する一社。
株式会社はこは、Web領域における広告の企画・制作・運用・分析をワンストップで請け負う「プライベートエージェンシー®」事業を展開する企業です。ChatGPT広告についても自社で配信を開始し、代理店が運用する場合のアカウント開設から配信開始までの流れを公開しています。
強み①|実務手順の具体的な開示
Beta版仕様である旨を明記したうえで、アカウント開設から配信開始までの流れを実務レベルで公開しています。依頼前に進め方のイメージを掴める点は、初めてこの媒体に取り組む企業にとって有用です。
強み②|企画から分析までのワンストップ体制
広告の企画、クリエイティブ制作、運用、分析を一貫して社内で担います。短いコピーの検証と計測の両輪が必要なChatGPT広告と噛み合う体制です。
強み③|社数を絞った専任チーム制
顧客数をむやみに増やさず、案件ごとにチームを組成する方針を掲げています。担当者の兼任案件数が少ないほど、審査リジェクト時の差し替えなど初動対応が速くなります。
サービス内容:Web広告の企画・制作・運用・分析、メディアプランニング、クリエイティブプランニング、システムサポートなど
こんな会社におすすめ:実務の具体的な進め方を確認したうえで依頼先を決めたい企業。専任性の高いチーム体制を求める企業。
公式サイト:https://www.ha-ko.co.jp/
5. ChatGPT広告の代理店費用の相場

各社とも公開料金はほぼありませんが、運用型広告全般の慣行から相場観は整理できます。
5-1. 手数料型(広告費の20%前後)
日本の運用型広告では、広告費に対して20%前後の手数料を設定するのが一般的な慣行です。ChatGPT広告についても、この形を踏襲する代理店が多いと考えられます。
ただし注意点があります。ChatGPT広告は最低出稿額が撤廃されており、少額から始められる媒体です。広告費が小さいと手数料も小さくなるため、手数料型のみでは代理店側の採算が合わず、最低手数料額を別途設定しているケースが多いと見ておくのが現実的です。
5-2. 固定月額型
工数ベースで月額を固定する形です。検証フェーズのように広告費が小さく、設計や分析の比重が大きい段階では、こちらの方が双方にとって合理的です。
ChatGPT広告の立ち上げ期は、配信量よりもコンテキストヒントの試行錯誤と計測設計に工数がかかります。この性質を踏まえると、初期は固定月額型を選ぶ企業が多くなると考えられます。
5-3. 初期設計費・計測実装費
見落とされやすいのがここです。以下は別途費用として提示されることがあります。
- 初期のアカウント設計・キャンペーン構築
- ピクセルまたはConversions APIの実装
- LPのOAI-AdsBot受け入れ設定の確認・調整
- クリエイティブ制作
特に計測実装は、開発リソースが絡むため見積もりが分かれやすい項目です。初回の見積依頼時に、どこまでが含まれるかを明示的に確認してください。
5-4. 広告費と手数料の合計で見た最低ライン
「いくらから始められるか」を考える際は、広告費だけでなく支援費用を合算して見る必要があります。
| 費目 | 検討時のポイント |
|---|---|
| 広告費 | 最低出稿額は撤廃済み。ただし判断に足るデータが溜まる量は必要 |
| 支援費用 | 手数料型なら最低手数料額、固定型なら月額の水準を確認 |
| 初期費用 | 設計費・計測実装費が別建てかどうか |
| 期間 | 3か月程度は継続する前提で総額を試算する |
重要なのは、「検証として成立する最小の総額」を先に決めてから相談に行くことです。予算を伝えずに提案を求めると、必要以上に大きな座組みを提示されやすくなります。
6. 代理店選びで失敗しないための注意点

6-1. 「日本で唯一」「◯社中1社のみ」を掲げる比較サイトの読み方
このキーワードで検索すると、ランキング形式の比較サイトが多数出てきます。そのなかには、自社サービスを1位に固定し、「調査した20社中◯◯社のみが対応」といった検証困難な最上級表現を用いているものがあります。
こうした表現は、根拠が示されていなければ景品表示法上も問題になり得ます。読む側としては、順位そのものではなく、比較の軸が明示されているか、各社の記述に一次情報の裏づけがあるかを見てください。
6-2. 業種規制と個別審査(医療・金融・法務)
日本では、政治・成人向け・たばこ・ギャンブル・武器・誤認を招く広告などが禁止または制限の対象です。医療・金融・法務といった規制業種は一律禁止ではなく、広告主や広告内容に応じた個別審査になります。
アカウントを開設できることと、自社の広告が配信できることは別問題です。 規制業種の場合は、商談の早い段階で審査の見通しを相談してください。
6-3. ブランドセーフティ|配信面除外がない媒体特性
ChatGPT広告には、従来の広告にあったURLブラックリストや配信面の除外機能がありません。すべての会話が潜在的な配信面になります。
そのため、深刻な相談の直後に不適切な広告が表示される「コンテンツ隣接リスク」が議論されています。対策としては、コンテキストヒントを適切に絞り込むこと、自社のブランド安全ポリシーを事前に用意しておくことが挙げられます。この論点に自ら言及してくる代理店は、媒体理解が深いと判断してよいでしょう。
6-4. 契約前に必ず確認したい5つの質問
商談時にそのまま使える質問です。
- 広告アカウントの所有者は誰になりますか
- 最低契約期間と解約予告期間は何か月ですか
- 計測実装(ピクセル/Conversions API)はどこまで対応いただけますか
- コンテキストヒントはどういう手順で設計しますか
- 半年後、当社が自走できる状態を目指せますか
5つ目への反応が、特に相手の姿勢を映します。
7. 代理店に依頼しても、AIの回答で推薦されるようにはならない

最後に、代理店選びの前提として押さえておくべき構造的な話をします。
7-1. 回答独立性が意味すること
OpenAIは広告について、常に明確にラベル表示され回答とは分離されていること、そして広告がChatGPTの回答内容に影響を与えないことを公式に明言しています。これは回答独立性(Answer Independence)と呼ばれる原則です。
広告主の立場で読み直すと、次のことを意味します。どれだけ広告費を投じ、どれだけ優秀な代理店に依頼しても、ユーザーが「〇〇のおすすめは?」と聞いたときの回答本文に自社が登場するようにはならない。
広告枠は買えます。しかしAIが自発的に語る「推薦」は買えません。この2つはプラットフォームの設計レベルで分離されています。
7-2. ペイドとオーガニックの役割分担
したがって、AI時代の集客は2本立てで設計する必要があります。
| ChatGPT広告(ペイド) | AIO/LLMO対策(オーガニック) | |
|---|---|---|
| 取りに行くもの | 会話の途中に現れる広告枠 | 回答本文での引用・推薦 |
| 効果が出るまで | 短期(配信開始から即時) | 中長期(数か月単位) |
| コスト構造 | 出稿を止めれば露出も止まる | 資産として蓄積される |
| 主なKPI | インプレッション、CTR、CPA | AI回答での言及率、推薦順位 |
| 依頼先に必要な力 | 運用設計・計測実装 | コンテンツ設計・構造化・第三者言及の獲得 |
ここで前提となる用語を整理しておきます。AIO(AI Optimization)の主な対象はAI Overview+各種生成AI(AI検索全般)であり、AI Overview対策とLLM対策(その他AI対策)を合わせた総称です。目的は、AI検索全体で引用・紹介される状態をつくることにあります。
代理店を選ぶ際、この2本立てを一体で見られるかどうかは、第3章の基準5で挙げたとおり重要な判断軸になります。広告だけを最適化しても、広告で生まれた検討が回答本文で競合に流れてしまえば、投資は回収しきれません。
なお、バクリの海外リサーチチームが収集した事例では、デジタルマーケティング企業のGo Fish Digitalが顧客のプロンプトを分析して質問回答型の構成へ組み替えた結果、3か月でCVRが83%向上し、AI経由の流入が43%増加しています。広告費を増やさずに得られた成果である点が示唆的です。
8. ChatGPT広告の代理店に関するよくある質問(FAQ)
Q1. ChatGPT広告は代理店に丸投げできますか?
A. できません。代理店が広告主のアカウントを開設・所有する仕組みが現時点で存在しないためです。事業主がアカウントを開設し、代理店をメンバーとして招待する形が基本になります。
Q2. 実績が豊富な代理店はどこですか?
A. 日本での配信開始が2026年6月であるため、長期の運用実績を持つ代理店は原理的に存在しません。実績の多寡ではなく、検証設計力や計測実装力で判断することをおすすめします。
Q3. 代理店を変更するとき、広告アカウントはどうなりますか?
A. アカウントは事業主が所有しているため、そのまま自社に残ります。代理店メンバーの招待を解除するだけで、蓄積した設定やデータは失われません。
Q4. 代理店費用の相場はどのくらいですか?
A. 運用型広告全般の慣行では広告費の20%前後が一般的ですが、ChatGPT広告は少額から始められるため、固定月額型や最低手数料額を設定するケースが多いと考えられます。初期設計費や計測実装費が別建てかも確認してください。
Q5. 代理店に依頼すれば、ChatGPTの回答で自社が推薦されますか?
A. されません。OpenAIは広告が回答内容に影響を与えないと公式に明言しています。回答本文での引用・推薦を狙う場合は、AIO/LLMO対策という別の施策が必要です。
9. まとめ
ChatGPT広告の代理店選びは、従来のWeb広告とは前提が違います。代理店がアカウントを所有する仕組みがないため、「丸投げ代行」というモデルが成立しません。 事業主がアカウントを持ち、そこに専門家を招き入れて設計と検証を一緒に進める。これが現時点で唯一の形です。
この構造は、広告主にとって不便なだけではありません。アカウントが自社に残るということは、パートナーを変えても資産が失われないということです。誰の実績もまだ確立していない新しい媒体で、身軽に試行錯誤できる環境が整っているとも言えます。
だからこそ、選ぶ基準は「実績が多いか」ではなく、**「一緒に検証を設計できるか」「計測を任せられるか」「AI検索対策まで一体で見られるか」「最終的に自社で回せる状態を目指してくれるか」**です。契約期間の縛りが短く、アカウント所有権が明確な相手であれば、仮に相性が合わなくてもやり直しが利きます。
そして忘れてはならないのが、広告枠は買えても推薦は買えないという事実です。ChatGPT広告に取り組むのであれば、AIの回答で自社がどう扱われているかを同時に把握しておくことが、投じた予算を取りこぼさないための現実的な設計になります。
まずは自社の現在地を確認するところから始めてみてください。
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