「ChatGPTに広告が出るようになった」
「GoogleのAIモードにも広告が入るらしい」
2026年に入ってから、AIの回答画面に広告を出す動きが一気に加速しました。検索とSNSに続く新しい広告面が、いま同時多発的に立ち上がっています。
一方で、状況は複雑です。すでに日本から出稿できる媒体もあれば、日本では未提供の媒体もあり、さらに「広告をやめた」プラットフォームまで存在します。 断片的な情報だけで判断すると、出せない媒体の準備に時間を使ったり、今すぐ試せる媒体を見逃したりしかねません。
この記事では、AI検索広告の全体像と、主要6サービスの出稿可否・仕組み・費用を横並びで整理します。そのうえで、AI検索広告では原理的に手に入らないものは何か、そこをどう補うかまでお伝えします。
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目次
1. AI検索広告とは?定義と従来の検索広告との違い

まずは言葉の整理から始めます。
1-1. AI検索広告の定義
AI検索広告とは、生成AIが回答を生成する画面上に表示される広告の総称です。 ChatGPT広告、Google AI Mode広告、Microsoft Copilot広告などが該当します。呼び方は媒体ごとに異なりますが、いずれも「AIの回答を見ているユーザーに対して広告を届ける」という点で共通しています。
ユーザーがAIに相談し、その回答を参考に意思決定するという行動が広がった結果、その意思決定の場に広告主が接触できる経路として生まれたのがAI検索広告です。
1-2. 従来の検索広告と何が違うのか
最大の違いは、広告が反応する対象です。
| 比較軸 | AI検索広告 | 従来の検索広告 |
|---|---|---|
| 反応する対象 | 会話の文脈・相談の内容 | 入力された検索キーワード |
| ユーザーの状態 | 相談・比較検討の途中 | 明確な検索意図がある |
| 表示位置 | AIの回答の中または直下 | 検索結果ページの上部 |
| クリエイティブ | 極端に短い(媒体による) | 短文中心 |
| ユーザーの滞在 | 回答画面で完結しやすい | 結果ページからサイトへ遷移 |
| 成熟度 | 発展途上(仕様変更が頻繁) | 成熟 |
検索広告が「今この言葉で検索した人」に反応するのに対し、AI検索広告は「今こういう相談をしている人」に反応します。ユーザーがまだ選択肢を絞りきっていない段階で接触できる点が、この広告面の本質的な価値です。
1-3. なぜ2026年に一気に立ち上がったのか
背景には各社の収益構造があります。生成AIサービスは膨大な計算資源を必要とし、無料ユーザーを抱えるほどコストが増大します。サブスクリプション収入だけでは無料層のコストを賄いきれないため、検索エンジンやSNSが辿ったのと同じ道筋で、広告による収益化が選択されたという構図です。
実際、OpenAIは2026年2月に米国で広告テストを開始し、GoogleとMicrosoftもAI回答画面への広告掲載を進めています。一方で、この流れに乗らない選択をした企業もあります。その分岐については第6章で扱います。
2. 主要6サービスの最新状況【一覧比較】

現在地を一枚で把握できるよう整理しました。
2-1. 6サービス比較一覧表
| サービス | 広告の有無 | 日本からの出稿 | 出稿方法 | 課金方式 |
|---|---|---|---|---|
| ChatGPT(OpenAI) | あり | 可能 | ads.openai.com の専用管理画面 | CPM/CPC |
| Google AI Mode / AI Overviews | あり | 不可(米国等で先行) | 既存のGoogle広告キャンペーンが対象 | 既存の検索広告に準拠 |
| Microsoft Copilot | あり | 可能 | 既存のMicrosoft広告キャンペーンから自動配信 | 既存の検索広告に準拠 |
| Perplexity | 廃止済み | ー | ー | ー |
| Claude(Anthropic) | なし(非導入を明言) | ー | ー | ー |
| Geminiアプリ(Google) | なし | ー | ー | ー |
※2026年8月時点の公開情報に基づく整理です。この領域は変化が速いため、実際の出稿前に各社の最新情報をご確認ください。
2-2. 日本から今すぐ出稿できるのは2つ
表のとおり、2026年8月時点で日本の事業者が出稿できるのはChatGPT広告とMicrosoft Copilot広告の2つです。
この2つは性格がかなり違います。ChatGPT広告は専用の管理画面で新規にアカウントを作る必要があるのに対し、Copilot広告は既存のMicrosoft広告のキャンペーンが自動的にCopilot面にも配信される仕組みです。つまり、すでにMicrosoft広告を運用していれば、実質的にすでにAI検索広告を配信している可能性があります。
一方、GoogleのAI Mode/AI Overviews広告は米国を中心に提供が始まっていますが、日本では未提供です。ただし後述するとおり、今から準備できることはあります。
3. ChatGPT広告(OpenAI)

日本での注目度が最も高い媒体です。
3-1. 仕組みと表示形式
ChatGPT広告は、ユーザーの会話に関連する商品やサービスがある場合に、回答の下部に表示されます。「Sponsored」と明示され、回答本文とは視覚的に分離されます。
広告ユニットには、広告主名、favicon、見出し、説明文、遷移先URL、画像が含まれます。OpenAIの広告ドキュメントでは、見出しは約16文字、説明文は約32文字が推奨とされています。検索広告やSNS広告と比べて極端に短い設計です。
ターゲティングはキーワードではなくコンテキストヒントで行います。自社の商材が関連しそうな会話や状況を、自然言語のフレーズで記述する方式です。配信判断には、現在の会話の主題、過去のチャット履歴、過去の広告接触が使われます。
3-2. 日本での提供状況
2026年6月19日、OpenAI日本法人が日本での広告表示テスト開始を発表しました。対象は無料プランとGoプラン(月額1,400円)の成人ユーザーで、Plus・Pro・Business・Enterprise・Educationのユーザーには表示されません。
日本の事業主が自らアカウントを開設して配信まで進められるセルフサーブは、2026年6月28日に開放されています。当初は大手代理店経由に限られていましたが、現在は自社で出稿可能です。この点は古い情報が出回っているため注意してください。
3-3. 費用と課金方式
キャンペーン目的はReach(CPM課金)とClicks(CPC課金)の2種類です。最低出稿額は2026年5月5日に撤廃されており、任意の予算で開始できます。
CPMは米国パイロット開始時の60ドルから、9週間ほどで25ドル前後まで下落したと報じられています。CPC入札については、OpenAIが1クリックあたり3〜5ドルの上限入札からのスタートを推奨しています。
4. Google AI Mode/AI Overviews広告

日本では未提供ですが、影響範囲が最も大きい媒体です。
4-1. 2種類の広告面
Googleの AI検索広告は、出る場所によって2つに分かれます。
| AI Overviews広告 | AI Mode広告 | |
|---|---|---|
| 表示場所 | 検索結果上部のAI要約内 | 会話型検索(AIモード)の回答内 |
| ユーザーの状態 | 通常の検索の延長 | 対話しながら深掘りしている |
| 対象キャンペーン | 検索・ショッピング・P-MAX等 | 同左+新フォーマット |
重要なのは、どちらも新しい管理画面を使うわけではないという点です。Googleは、P-MAX・ショッピング・検索(ブロードマッチ、AI Max for Searchを含む)のキャンペーンが、AI OverviewsとAI Modeの両方で表示対象になり得ると説明しています。広告は「スポンサー」と明記されて表示されます。
4-2. 2026年に発表されたGemini搭載の新フォーマット
2026年5月のGoogle Marketing Liveで、Geminiを活用した新しい広告フォーマットが発表されました。公式ブログで説明されている主なものは次のとおりです。
- Conversational Discovery ads:会話の流れの中に現れる対話型の広告
- Highlighted Answers:AIが推奨リストを生成する際、条件に合う広告が回答内に表示される
- AI-powered Shopping ads:Geminiが関連商品を提示し、なぜその商品が適しているかの説明文を自動生成する
- Business Agent for Leads:広告内にブランドのAIエージェントを配置し、静的なフォームの代わりにチャットで質問に答える
加えて、2026年1月に開始されたDirect Offersのパイロットでは、Chewy、Gap、L’Orealといったブランドが関連性の高いオファーを提示しており、その後ネイティブ決済や旅行商材へと拡張されています。
広告が「回答の隣」から「回答の中」へ移動しているというのが、この一連の発表の本質です。
4-3. 日本での提供状況と、今できる準備
2026年8月時点で、日本ではAI Overviews/AI Modeへの広告配信は提供されていません。 提供範囲は地域ごとに順次拡大している段階です。
ただし「待つしかない」わけではありません。Googleは、既存の検索・ショッピング・P-MAXキャンペーンが表示対象になると説明しており、AI Maxを含む既存キャンペーンの整備が、そのまま提供開始時の備えになります。
具体的には、商品データの精度を高めること、アセットを充実させること、ブロードマッチやP-MAXでAIが判断できる材料を増やすことです。日本での提供が始まってから慌てて整備するより、今から土台を作っておく方が立ち上がりは確実に速くなります。
5. Microsoft Copilot広告

見落とされがちですが、日本から今すぐ出せるAI検索広告です。
5-1. 既存キャンペーンから自動配信される仕組み
Copilot広告の最大の特徴は、専用のキャンペーンを立てる必要がないことです。Microsoft Advertisingの公式ドキュメントによれば、通常の検索キャンペーンやPerformance MaxキャンペーンがCopilot面にも配信されます。
除外キーワードの扱いも、Microsoft Advertising Networkでのウェブ検索と同じように機能します。アカウント・キャンペーン・広告グループに追加した除外キーワードに対して、Copilotでも広告が表示されることはありません。
5-2. 日本から出稿できる
Microsoft Advertisingは管理画面・配信ともに日本語に対応しており、日本の事業者がアカウントを開設して出稿できます。すでにMicrosoft広告を運用している企業であれば、追加の手続きなしにCopilot面への配信がすでに始まっている可能性があります。
「AI検索広告を試したいが、ChatGPT広告のアカウント開設から始めるのはハードルが高い」という場合、既存のMicrosoft広告の設定を見直すところから入るのが最も低コストな入口になります。
5-3. 露出を増やすための設定
公式ドキュメントが挙げている推奨事項は明快です。
- 検索広告にはCopilotで表示できるロゴを含める
- 画像拡張機能を使うことが強く推奨されている
- 露出を増やす最善の方法はPerformance Maxキャンペーンの採用。Copilotに最も多くのアセットと変数を提供できるため
一点、注意すべき制約があります。Microsoft Advertisingでは現在、Copilotで配信された広告に特化した指標がサポートされていません。 デフォルトではMicrosoft Audience Networkのプレースメントと合算して報告されます。効果を分離して見たい場合は、レポートでプレースメントタイプ別にセグメントする必要があります。
6. 広告を導入しないサービス|Perplexity・Claude・Geminiアプリ

AI検索広告の全体像を理解するうえで、あえて広告を入れない選択をしたプラットフォームを知っておくことは重要です。
6-1. Perplexityは2026年2月に広告を完全終了
Perplexityは、主要なAI検索サービスのなかで最も早く、2024年に広告を導入した先駆者でした。しかし2026年2月、Financial Timesが同社が広告テストを完全に終了し、今後も再導入する予定がないと報じました。
理由として同社幹部が挙げたのは、AIへの信頼を損なう懸念です。Perplexityの広告にも「スポンサー付き」というラベルが付いており、広告がAIの出力に影響することはないと説明されていました。それでも撤退に至った理由について、広告があることでユーザーがすべてを疑い始めてしまうリスクが語られています。
同社は今後、サブスクリプション事業に注力する方針を示しています。
6-2. Anthropic(Claude)は広告非導入を明言
Claudeを提供するAnthropicは、広告を導入しない方針を公言しています。仕事や深い思考のためのアシスタントに広告は適さない、という立場です。
6-3. Geminiアプリは現時点で広告なし
Googleは、検索機能であるAI OverviewsとAI Modeには広告を掲載していますが、Geminiアプリ本体への広告掲載については否定的な姿勢を示しています。2026年6月時点でGeminiアプリに広告は導入されていません。
6-4. 「広告がない」ことが広告主にとって意味すること
ここが実務上の重要ポイントです。広告枠が存在しないプラットフォームでも、ユーザーはそこで商品やサービスを比較しています。
つまりPerplexityやClaudeでは、広告費を投じる経路そのものが存在せず、回答の中で引用・言及される以外に露出する方法がありません。 Perplexityの幹部発言にもあるとおり、広告が減ることでむしろ引用(オーガニック露出)の相対的な価値は上がります。
AI検索全体での可視性を考えるなら、広告を出せる媒体と出せない媒体の両方を視野に入れる必要があります。この論点は第8章と第9章で詳しく扱います。
7. AI検索広告の費用相場と始め方

7-1. プラットフォーム別の課金方式
| サービス | 課金方式 | 最低出稿額 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT広告 | CPM(Reach)/CPC(Clicks) | 撤廃済み | CPC推奨入札は1クリック3〜5ドル |
| Copilot広告 | 既存のMicrosoft広告に準拠 | 既存アカウントの条件に準拠 | 専用キャンペーン不要 |
| Google AI検索広告 | 既存のGoogle広告に準拠 | 既存アカウントの条件に準拠 | 日本では未提供 |
ChatGPT広告以外は既存の広告アカウントの延長で配信されるため、新たに大きな予算枠を確保する必要はありません。 ここは誤解されやすいところです。
7-2. 少額から始める場合の優先順位
限られた予算で試すなら、次の順序が現実的です。
第1優先:Microsoft広告の設定見直し すでにアカウントがあるなら、ロゴの設定、画像拡張機能、Performance Maxの採用を確認するだけで露出を増やせる可能性があります。追加予算がほぼ不要な施策です。
第2優先:ChatGPT広告の少額テスト 最低出稿額が撤廃されているため、検証予算で始められます。ただし後述する計測設計が前提です。
第3優先:Google広告の土台整備 日本での提供開始に備え、商品データとアセットを整えておきます。提供が始まった瞬間に配信対象となる状態を作っておくイメージです。
7-3. 計測設計を最優先にすべき理由
どの媒体でも共通して、計測の準備が成果を分けます。
ChatGPT広告では、JavaScriptピクセルまたはConversions APIの実装が必要です。しかもコンバージョン最適化キャンペーンを使うには、有効なコンバージョンイベントが最低1件流れていることが前提になります。計測が整っていないと、最適化機能そのものが使えません。
Copilot広告では前述のとおり、Copilot単独の指標が現状サポートされていないため、プレースメント別のセグメントを設定しておかないと効果が見えません。
「まず配信してみて、効果は後で考える」という進め方は、AI検索広告では特に機能しにくいと考えてください。
8. AI検索広告の限界|広告枠は買えても「推薦」は買えない

ここからが、この記事で最もお伝えしたい部分です。
8-1. 回答独立性という共通の設計思想
主要各社は、広告について共通した原則を掲げています。広告は明確にラベル表示され、回答とは分離されており、回答内容に影響を与えない。 OpenAIはこれを回答独立性(Answer Independence)と呼び、公式に明言しています。Perplexityも広告を実施していた期間、同じ説明をしていました。
広告主の立場で読み直すと、次のことを意味します。
どれだけ広告費を投じても、ユーザーが「〇〇のおすすめは?」と聞いたときの回答本文に、自社が登場するようにはならない。
広告枠は買えます。しかしAIが自発的に語る「推薦」は買えません。この2つはプラットフォームの設計レベルで分離されています。
8-2. ペイドとオーガニックの役割分担
したがって、AI検索での可視性は2本立てで設計する必要があります。
| AI検索広告(ペイド) | AIO/LLMO対策(オーガニック) | |
|---|---|---|
| 取りに行くもの | 回答の周辺に現れる広告枠 | 回答本文での引用・推薦 |
| 対象範囲 | 広告枠のある媒体のみ | 広告のない媒体も含む全AI |
| 効果が出るまで | 短期(配信開始から即時) | 中長期(数か月単位) |
| コスト構造 | 出稿を止めれば露出も止まる | 資産として蓄積される |
| 主なKPI | インプレッション、CTR、CPA | AI回答での言及率、推薦順位 |
2行目の「対象範囲」が決定的です。 第6章で見たとおり、PerplexityとClaudeには広告枠そのものが存在しません。これらのサービスで露出する方法は、回答の中で引用されること以外にありません。
ここで前提となる用語を整理しておきます。AIO(AI Optimization)の主な対象はAI Overview+各種生成AI(AI検索全般)であり、AI Overview対策とLLM対策(その他AI対策)を合わせた総称です。目的は、AI検索全体で引用・紹介される状態をつくることにあります。
つまりAI検索広告が「特定媒体の枠を買う」施策であるのに対し、AIO/LLMO対策は「AI検索全体で引用される状態をつくる」施策です。カバーする範囲がそもそも違います。
8-3. 広告で来たユーザーが、AIに聞き直したときに何が起きるか
具体的な場面で考えてみましょう。
あるユーザーがChatGPTで相談中に自社の広告に接触し、社名を認識してサイトを訪れたとします。しかし数日後、そのユーザーは再びAIに戻り、「この分野の主要なサービスを比較して」と尋ねます。
このとき回答本文に登場するのは、広告費を払った企業ではなく、複数の信頼できる情報源で一貫して言及されている企業です。ここで自社の名前が出てこなければ、広告費をかけて生み出した検討が、そのまま競合に流れる可能性があります。
9. AI検索広告と併せて着手すべきAIO/LLMO対策

では、回答本文で引用される状態はどうつくるのか。実務の優先順位で整理します。
9-1. AIが引用しやすいコンテンツ構造をつくる
生成AIは、質問に対する答えを複数の情報源から統合して提示します。そのため、問いに対して短く明確に答えている箇所が引用されやすくなります。
- 「〇〇とは、△△です」という定義文を冒頭に置く
- 結論を先に書き、理由と具体例を後に続ける
- 比較は表形式で整理する
- FAQセクションを設け、1問1答で簡潔に答える
カタログ的な自己紹介ではなく、ユーザーの問いに答える形式へ組み替えることが出発点です。
バクリの海外リサーチチームが収集した事例では、住宅設備・建材のLS Building Productsがカタログ型のコンテンツを質問回答型へ転換しFAQを実装した結果、6か月でAI Overviewでの言及が540%増加し、年間40万ドル以上の広告価値に相当する露出を獲得しています。広告費ではなく、コンテンツ構造の転換で生まれた成果である点が示唆的です。
9-2. 構造化データ・llms.txt・AIクローラー設定を整える
AIがサイトの内容を正確に理解できるよう、技術面の土台を整えます。
- Organization Schema:企業の基本情報と専門領域を明示する
- FAQ Schema:Q&A部分を機械可読な形式でマークアップする
- llms.txt:AIに向けて自社の概要と主要ページを整理して提示する
- AIクローラーの受け入れ設定:robots.txtやWAFで不用意にブロックしていないか確認する
最後の項目は広告側とも直結します。ChatGPT広告では OAI-AdsBot というクローラーが遷移先ページの検証・ブランドセーフティ審査・広告関連性評価を行うため、AIクローラーを受け入れられる状態が、広告面でもオーガニック面でもスタートラインになります。
9-3. 第三者メディアでの言及(サイテーション)を増やす
最も効き、そして最も後回しにされやすい領域です。
LLMがあるブランドを推薦するかどうかは、複数の信頼できる第三者ソースで一貫して言及されているかに大きく依存します。自社サイトでどれだけ主張しても、それだけでは推薦の対象になりません。
比較記事への掲載、業界メディアでの言及、プレスリリース、独自調査の発表といった、外部での言及を増やす活動が中心的な打ち手になります。自社サイトの改善と外部言及の獲得で迷ったら、外部を優先するのが基本方針です。
9-4. 効果をどう可視化するか
AIO/LLMO対策の難しさは、成果が検索順位のような単一指標では測れない点にあります。「どのAIで、どんな質問のときに、どういう文脈で言及されるか」という多面的な状態を追う必要があります。
バクリ株式会社(AIO/LLMO対策専門のマーケティング会社)では、独自開発のAI引用可視化ツールにより、ChatGPT・Gemini・Perplexity等の主要AIにおける自社ブランドの言及状況をモニタリングしています。広告のレポートには現れない領域を、データで追える体制を組むことで、感覚ではなく実測に基づいた改善が可能になります。
バクリ株式会社の支援事例では、建設設計事務所がllms.txtの設置、サイト構造の再設計、エンティティ対策、外部サイトへの登録を実施した結果、施策開始から1.5か月でAI Overviewでの言及数が約3倍に増加し、対策キーワードの順位が平均18〜19位から3位まで上昇しました。
10. AI検索広告に関するよくある質問(FAQ)
Q1. AI検索広告は日本から出稿できますか?
A. 2026年8月時点で、ChatGPT広告とMicrosoft Copilot広告は日本から出稿できます。GoogleのAI Overviews/AI Mode広告は日本では未提供です。
Q2. Google広告を運用していれば、AI検索にも自動で出ますか?
A. 日本ではまだAI Overviews/AI Modeへの配信が提供されていません。ただしMicrosoft広告を運用している場合、既存の検索キャンペーンやPerformance MaxキャンペーンがCopilot面にも配信されます。
Q3. Perplexityに広告は出せますか?
A. 出せません。Perplexityは2024年に導入した広告を段階的に廃止し、2026年2月に完全終了しました。今後も再導入の予定はないと報じられています。
Q4. AI検索広告を出せば、AIの回答で自社が推薦されますか?
A. されません。主要各社は「広告は回答に影響しない」という原則を掲げています。回答本文での引用・推薦を狙う場合は、AIO/LLMO対策という別の施策が必要です。
Q5. どこから始めるのが効率的ですか?
A. すでにMicrosoft広告のアカウントがあれば、ロゴ設定・画像拡張機能・Performance Maxの採用を見直すのが最も低コストです。その次にChatGPT広告の少額テスト、並行してGoogle広告の土台整備という順序が現実的です。
11. まとめ
AI検索広告は、2026年に一気に立ち上がった新しい広告領域です。ただし状況は媒体ごとにばらついています。日本から今すぐ出せるのはChatGPT広告とMicrosoft Copilot広告の2つで、GoogleのAI検索広告は未提供、PerplexityとClaudeにはそもそも広告枠が存在しません。
始め方としては、既存のMicrosoft広告の設定見直しが最も低コストな入口です。そこからChatGPT広告の少額テストへ進み、並行してGoogle広告の土台を整えておく。この順序であれば、大きな予算を動かさずに検証を回せます。どの媒体でも、計測設計だけは先に済ませてください。
そして最も重要なのは、AI検索広告では原理的に手に入らないものがあるという事実です。各社が掲げる回答独立性の原則により、広告費でAIの推薦を買うことはできません。さらにPerplexityやClaudeのように、広告枠そのものが存在しない場所でも、ユーザーは商品やサービスを比較しています。
広告で取りにいける範囲と、引用されなければ届かない範囲。この2つを分けて設計することが、AI検索時代の可視性戦略の出発点になります。まずは自社が主要AIでどう扱われているかを把握するところから始めてみてください。
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これからのビジネス戦略にぜひお役立てください!
