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【2026年8月最新】ChatGPT広告とは?仕組み・費用・出稿方法とAIに推薦されるための対策まで徹底解説

「ChatGPT広告が日本でも始まったらしいが、実際どういう仕組みなのか」「いくらから出せて、効果はどう測るのか」

2026年6月の日本提供開始以降、こうした相談が一気に増えました。検索やSNSに続く新しい広告面が、多くの人が毎日使うツールの内側に立ち上がったわけですから、当然の反応だと思います。

一方で、情報が出そろわないまま憶測混じりの解説も広がっています。この記事では、ChatGPT広告の配信・ターゲティングの仕組み、費用相場、出稿方法、効果測定の設計までを、出典を明示しながら整理します。そして最後に、広告担当者が見落としがちな「広告費を払っても、AIの回答で自社が推薦されるようにはならない」という構造的な話までお伝えします。読み終えるころには、自社が今この広告面に投じるべきか、投じるならどう設計すべきかを、根拠を持って判断できる状態になっているはずです。

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1. ChatGPT広告とは?日本での提供状況と対象プラン

まずは全体像から押さえていきましょう。この章を読めば、「何が・誰に・いつから」表示されているのかが整理できます。

1-1. ChatGPT広告の定義|会話の文脈に連動する運用型広告

ChatGPT広告とは、OpenAIが提供する、ChatGPTの回答の下部に表示される運用型広告のことです。 英語では ChatGPT Ads、OpenAI Ads とも呼ばれます。

従来の検索広告との最大の違いは、マッチングの単位です。検索広告がユーザーの入力した「キーワード」に反応するのに対し、ChatGPT広告はその時点の会話の文脈(コンテキスト)に反応します。ユーザーが旅行の相談をしていれば旅行関連、家電の比較をしていれば該当カテゴリの商材、といった具合です。

もうひとつ重要なのが、OpenAIが掲げている運用原則です。同社は広告について「常に明確にラベル表示され、回答とは分離されていること」「広告がChatGPTの回答内容に影響を与えないこと」を公式に明言しています。この回答独立性(Answer Independence)は、後述する第7章の議論に直結する、この媒体を理解するうえで最も重要な設計思想です。

1-2. 広告が表示される人・されない人|対象プラン一覧

広告はすべてのChatGPTユーザーに表示されるわけではありません。対象はあくまで無料プランと低価格プランに限定されています。

プラン広告表示備考
無料プラン(Free)あり成人ユーザーのみ
Goあり月額1,400円
Plusなし
Proなし
Businessなし
Enterpriseなし
Educationなし

※2026年6月19日のOpenAI日本法人発表(ITmedia AI+、時事通信ほか報道)に基づく

18歳未満のユーザーには広告は表示されません。この線引きは、広告主にとって見過ごせない意味を持ちます。BtoBの意思決定層はPlus以上の有料プランを使っているケースが少なくないため、ターゲットによっては到達しづらい可能性があるということです。自社の顧客層がどのプランを使っていそうかは、出稿判断の前に一度考えてみる価値があります。

なお、この「無料層は広告で、上位層はサブスクリプションで」という収益構造は、YouTubeやSpotifyが辿った道筋とよく似ています。

1-3. 米国パイロットから日本上陸までの時系列

ChatGPT広告は、わずか数か月で急速に整備が進みました。主要な出来事を時系列で整理します。

時期出来事
2026年1月16日OpenAIが米国での広告テスト計画を正式に表明
2026年2月9日米国でパイロット開始。$60 CPMからスタート
2026年3月2日Criteoが最初の広告テクノロジーパートナーとして参画
2026年3月26日開始6週間で年換算1億ドル突破と発表。カナダ・豪州・NZへの拡大を公表
2026年4月中旬セルフサーブ型Ads Managerを一部提供開始。最低出稿額を5万ドルへ引き下げ
2026年5月5日全米の事業者にAds Managerを開放。CPC入札導入、最低出稿額を撤廃、計測ツールを提供開始
2026年5月7日英国・日本・韓国・ブラジル・メキシコへの拡大を発表
2026年6月6日英国で配信開始(欧州初)
2026年6月19日日本で広告表示テストを開始(OpenAI日本法人発表)

※出典:OpenAI公式発表、PPC Land、AdWeek、ITmedia AI+ 等の公開情報をもとに作成

日本での初期パートナーには、電通デジタル、博報堂DY ONE、サイバーエージェントといった国内大手が名を連ねました。この顔ぶれは、ChatGPT広告が実験的な枠ではなく、本格的な広告媒体として市場に投入されたことを示すシグナルと受け取れます。

2. ChatGPT広告の配信とターゲティングの仕組み

ここからは実務の核心です。この媒体は「検索広告の亜種」ではありません。マッチングの考え方そのものが違うため、既存の運用感覚をそのまま持ち込むと精度が出ません。

2-1. 広告はどこに・どのタイミングで配信されるのか

広告は、ユーザーの会話に関連する商品やサービスがある場合に、ChatGPTの回答の下部に表示されます。回答本文とは視覚的に分離されており、広告であることが明示されます。

広告ユニットに含まれる要素は次のとおりです。

  • 広告主名
  • favicon(サイトアイコン)
  • 見出し(ヘッドライン)
  • 説明文(ディスクリプション)
  • 遷移先URL
  • 画像アセット

OpenAIの広告ドキュメントでは、見出しは約16文字、説明文は約32文字が推奨とされています。検索広告やSNS広告と比べてかなり短い設計です。日本語で書く場合、この文字数で価値を伝えきるのは相当に難しく、既存のバナーコピーをそのまま流用してもまず機能しません。「一言で何屋か」が伝わる圧縮されたコピーが求められます。

2-2. キーワードではなく「コンテキストヒント」でマッチする

ChatGPT広告には、いわゆるキーワード入稿がありません。代わりに使うのがコンテキストヒントです。

コンテキストヒントとは、自社の商材が関連しそうな会話の内容や状況を、自然言語のフレーズで記述したものです。これをAd Group(広告グループ)のレベルで設定します。

たとえば法人向け会計SaaSであれば、「請求書処理に毎月時間を取られている」「経理を1人で回していて限界を感じている」といった、ユーザーが実際にChatGPTに打ち込みそうな状況を書くイメージです。「会計ソフト おすすめ」というキーワード発想とは、頭の使い方が明確に異なります。

考え方としては、キーワードリサーチよりも、ペルソナ設計や部分一致における意図シグナルの扱いに近いと言えます。

2-3. 配信判断に使われる3つのシグナル

どの広告を表示するかは、主に次の3つの情報をもとに判断されます。

  1. 現在の会話の主題
  2. 過去のチャット履歴
  3. 過去の広告への接触状況

つまり、その場の一回のやりとりだけでなく、そのユーザーの継続的な関心も踏まえて配信されます。単発の検索クエリに反応する検索広告と比べ、より中長期の文脈が効く設計です。

プライバシー面については、個別の会話データが広告主に共有されることはなく、レポートは集計値のみで提供されます。「どのユーザーがどんな相談をしたか」を広告主側から見ることはできません。

2-4. 絞り込みに使える機能|カスタムオーディエンス・地域・日予算

コンテキストヒント以外の絞り込み機能も、段階的に追加されています。

機能内容
カスタムオーディエンスCSV/TXT形式で顧客リスト(メールアドレス・電話番号)をアップロードして配信対象を指定
地域ターゲティング配信エリアの指定
日予算1日あたりの予算上限を設定
動的CTA遷移先や訴求に応じたコールトゥアクションの出し分け

これらは2026年5月中旬から下旬にかけて順次追加された機能群です。プラットフォームとしてはまだ発展途上であり、今後も仕様が変わる前提で運用体制を組んでおく必要があります。

2-5. 複数の広告主が競合したときはどう選ばれるか

同じ配信面に複数の広告主が競合した場合、システムはその会話の文脈に対して最も関連性が高いと判断された広告を選択します。単純な入札額の高さだけで決まる仕組みではないという点は、押さえておく価値があります。

裏を返せば、コンテキストヒントの精度が配信量に直結するということです。予算を積めば露出が増えるという発想では、この媒体はうまく回りません。

2-6. 検索広告・SNS広告との違い【比較表】

ここまでの内容を、既存チャネルと比較して整理します。

比較軸ChatGPT広告検索広告SNS広告
マッチング単位会話の文脈(コンテキストヒント)検索キーワードユーザー属性・興味関心
ユーザーの状態相談・比較検討の途中明確な検索意図がある受動的に閲覧中
主な課金方式CPM/CPC主にCPCCPM/CPC
クリエイティブ量極めて短い(見出し約16字)短文中心画像・動画主体
配信面の性質回答の下部に分離表示検索結果上部フィード内
成熟度発展途上(仕様変更が頻繁)成熟成熟

「相談の途中に出てくる」という点が、この媒体の本質的な価値です。ユーザーがまだ選択肢を絞りきっていない段階で接触できるため、認知から比較検討の入口を押さえる面として捉えるのが妥当でしょう。

3. ChatGPT広告の費用相場と課金方式

「いくらから出せるのか」は、最も多くいただく質問です。ここは変動が激しい領域なので、数字とその出所をセットで押さえてください。

3-1. CPM課金(Reach)とCPC課金(Clicks)の使い分け

ChatGPT広告には2つのキャンペーン目的があり、それぞれ課金方式が異なります。

目的課金方式向いているケース
Reach(リーチ)CPM(インプレッション課金)認知獲得、新カテゴリの啓蒙
Clicks(クリック)CPC(クリック課金)サイト流入、獲得を意識した配信

両者は同じAds Managerの中で並行して運用できます。獲得を目的とするなら、まずはCPCのClicks目的から始めるのが素直な設計です。

3-2. 単価はどう推移したか|$60から$25前後への下落が意味すること

パイロット開始時、CPMは60ドルからのスタートでした。それが開始から9週間ほどで25ドル前後まで下落したと報じられています(PPC Land、Ad Age等)。下落の背景には、最低出稿額の引き下げによる広告主層の急拡大と、オークション機構がまだ完全には成熟していなかったことがあるとされています。

CPC入札については、OpenAIが1クリックあたり3〜5ドルの上限入札からのスタートを推奨しています。

ここで冷静に捉えておきたいのは、単価の下落は「今が安い」という良い話であると同時に、競合が増えている証拠でもあるという点です。「早期参入の窓が開いている」という言い方は事実の一面を捉えていますが、その窓は着実に狭まっています。

3-3. 最低出稿額の撤廃と、少額テストの現実的な設計

初期の最低出稿額は20万〜25万ドルという、大手ブランドしか参加できない水準でした。それが2026年4月に5万ドルへ引き下げられ、5月5日には撤廃されています。現在は、事業者が任意の予算で開始できます。

とはいえ「少額で始められる=少額で成果が出る」ではありません。現実的な設計としては、次のような考え方をおすすめしています。

  • 既存チャネルの予算を移さず、独立したテスト予算を確保する
  • 商材の検討サイクルを踏まえ、判断に足るデータが溜まる期間を先に決める
  • コンテキストヒントの当たり外れを見るため、Ad Groupを複数本立てる
  • 成果指標は最初からCVに寄せず、まずは到達と質の高い流入が取れているかを見る

4. ChatGPT広告の出稿方法【5ステップ】

実際に配信を始めるまでの流れを整理します。順番が重要で、特にSTEP2を飛ばすと後で必ず困ります。

4-1. STEP1|ads.openai.comでアカウントを開設する

出稿の窓口は ads.openai.com です。ここで広告アカウントを作成します。代理店に運用を委託する場合も、まず広告主自身の名義でアカウントを作成し、そこに代理店メンバーを追加する形が基本です。アカウントの所有権が広告主側に残る構成にしておくと、後々のパートナー変更時に困りません。

4-2. STEP2|先に計測基盤を用意する

配信を始める前に、計測の仕組みを整えます。ここが最重要ポイントです。

用意するのは、JavaScriptピクセルまたはConversions API(サーバー間連携)です。どちらも2026年5月5日から提供されています。詳しい選び方は第5章で解説しますが、「とりあえず配信してから計測を考える」は最も避けたい進め方です。初期のデータは二度と取り直せません。

4-3. STEP3|キャンペーン階層(Campaign / Ad Group / Ad)を設計する

Ads Managerは3階層構造です。

階層設定する内容
Campaign目的(Reach/Clicks)、予算、配信期間、ターゲティング設定
Ad Groupテーマや意図ごとの束。コンテキストヒントはここで設定
Ad個別のクリエイティブ

Google広告やMeta広告に慣れていれば、構造自体はすぐ理解できるはずです。命名規則を最初に決めておくと、後の分析が格段に楽になります。

4-4. STEP4|コンテキストヒントとクリエイティブを入稿する

Ad Groupごとにコンテキストヒントを設定し、Adとして見出し・説明文・画像・遷移先URLを入稿します。

前述のとおり、見出しは約16文字、説明文は約32文字が推奨です。既存の広告文をそのまま持ち込まず、この媒体専用に書き下ろす前提で準備してください。訴求軸を変えた複数パターンを用意し、どの切り口が会話文脈に噛み合うかを見ていくのが実務的です。

4-5. STEP5|OAI-AdsBotの受け入れ設定と審査

見落とされがちな技術要件がここです。OpenAIは OAI-AdsBot というクローラーを運用しており、これが遷移先ページの検証、ブランドセーフティの審査、広告関連性の評価を行います。

つまり、自社のLPがOAI-AdsBotのアクセスを受け入れられる状態になっている必要があります。robots.txtやWAFの設定でAIクローラーを一律ブロックしている場合、審査が通らない、あるいは配信が伸びない要因になり得ます。広告出稿を検討する段階で、一度サーバー設定を確認しておいてください。

5. ChatGPT広告の効果測定方法

新しい媒体で最も難しいのが効果測定です。この章では、何をどう測るか、そして何が測れないのかまでを整理します。

5-1. JavaScriptピクセルとConversions APIの違いと使い分け

計測手段は2つあります。

手段仕組み特徴
JavaScriptピクセルブラウザ側でタグを発火導入が容易。ブラウザ環境の制約を受ける
Conversions API(CAPI)サーバー間で直接送信信号欠損が起きにくい。実装に開発リソースが必要

ChatGPT広告では、可能な限りConversions APIを併用することをおすすめします。理由は媒体特性にあります。ユーザーはChatGPTアプリで相談し、ブラウザで比較し、別のデバイスで購入するといった動きを、ひとつの検討プロセスの中で当たり前に行います。ブラウザ計測だけでは、この移動の途中で信号が切れやすいのです。

なお、タグマネージャー用のコミュニティテンプレートも公開されており、開発リソースが限られる場合の選択肢になります。

5-2. コンバージョン最適化キャンペーンを使うための前提条件

2026年6月5日から、コンバージョン最適化キャンペーンが順次提供されています。ただし利用には条件があり、ピクセルまたはConversions API経由で、有効なコンバージョンイベントが最低1件流れている必要があります。

これは要するに、計測基盤を先に整えた広告主だけが、最適化機能の恩恵を受けられるということです。第4章でSTEP2を強調したのは、この構造があるためです。

5-3. 何が計測でき、何が計測できないのか

期待値を正しく持つために、境界線を明確にしておきます。

計測できること

  • インプレッション、クリック、CTR
  • ピクセル/CAPI経由のコンバージョンとCPA
  • キャンペーン・Ad Group単位のパフォーマンス

計測できないこと

  • 個別ユーザーの会話内容(広告主には共有されません)
  • どの発言がきっかけで広告が表示されたかの詳細
  • 広告を見たユーザーが、後日AIに再質問したときの挙動

3つ目は特に重要です。この点は第7章で改めて掘り下げます。

5-4. 見るべき指標と、出回っているベンチマークの正しい扱い方

現時点で公開されている参考値をいくつか挙げますが、すべて出所と調査条件をセットで理解してください

指標数値出所と条件
CTR(全体)0.68%Similarweb調査(2026年5月時点)。上位四分位で1%、上位ブランドで1.57%、観測ピーク5.4%
AI経由CVR従来検索の約2倍に接近Criteoが自社クライアントデータをもとに公表。小売カテゴリ中心。第三者による独立検証はなし
広告主数1,000ブランド超Criteo経由での配信、2026年5月5日時点

ベンチマーク数値の扱い
「CVRが2倍」「CTRが数倍」といった数字は、特定事業者が自社の顧客基盤で集計した値であることがほとんどです。業種・商材・期間・比較対象が自社と一致する保証はありません。社内稟議でこれらを根拠に使う場合は、必ず出所と条件を併記してください。自社の実測値が出るまでは、あくまで参考レンジとして扱うのが安全です。

5-5. 広告の効果測定だけでは見えないもの

ChatGPT広告のダッシュボードで見えるのは、あくまで広告枠の中で起きたことです。しかし実際のユーザー行動は、そこで完結しません。

広告を見て社名を認知したユーザーが、数日後にあらためてChatGPTに「〇〇のおすすめを教えて」と聞き直す。このとき自社が回答に登場するかどうかは、広告のレポートには一切現れません。にもかかわらず、成果を大きく左右します。

だからこそ、ChatGPT広告の効果測定と並行して、指名検索数、直接流入、そしてAIの回答内での自社の言及状況を見ておく必要があります。この論点を、次章以降で詳しく扱います。

6. ChatGPT広告で失敗しやすい5つの落とし穴

支援の現場で実際に起きている、あるいは起きやすいパターンを整理しました。

6-1. 計測設計を後回しにして「効果が分からない」状態になる

最も多い失敗です。配信を先に始め、1か月後に「結局これは効いたのか」と振り返ろうとして、判断材料がないことに気づく。ピクセルもCAPIも未設置なら、残っているのはインプレッションとクリックだけです。

しかも前述のとおり、コンバージョン最適化を使うにも計測データが前提になります。配信開始日と計測実装完了日を、同じ日か、実装が先になるように設計してください。

6-2. 検索キーワードの発想でコンテキストヒントを書いてしまう

「AIO対策」「会計ソフト 比較」のような、検索クエリをそのままコンテキストヒントに入れてしまうケースです。この媒体で求められるのは、ユーザーがChatGPTに向かって書きそうな、状況や悩みの記述です。

ユーザーはChatGPTに対して、検索窓に入力するときよりも長く、具体的に、口語で書きます。その言語感覚に寄せられるかどうかが、配信精度を分けます。

6-3. LPがAIクローラーをブロックしたままになっている

第4章のSTEP5で触れた論点です。近年、AIクローラーへの対応方針を見直す企業が増えており、その過程で一括ブロックの設定が残っているケースがあります。OAI-AdsBotが遷移先を検証できなければ、審査や配信に影響します。

これは広告部門だけでは気づきにくく、情報システム部門やサイト運用担当との確認が必要な項目です。

6-4. 出回っている成果データを条件確認せず鵜呑みにする

第5章で述べたとおりです。魅力的な数字ほど、出所と条件の確認が要ります。稟議資料に出典なしの数値を載せてしまうと、後で効果検証をする際に基準がぶれます。

6-5. 既存の獲得チャネルから予算を移してしまう

新しい媒体への期待から、すでに成果が出ているチャネルの予算を削って充当してしまうパターンです。ChatGPT広告はまだ仕様変更が頻繁な発展途上のプラットフォームであり、既存チャネルの代替ではなく、追加の実験枠として位置づけるのが妥当です。

7. 広告を出しても、AIの回答で推薦されるようにはならない

ここからが、この記事で最もお伝えしたい部分です。ChatGPT広告を検討している企業の多くが、この構造を正しく理解しないまま予算を組もうとしています。

7-1. 「回答独立性」が広告主にとって意味すること

第1章で触れたとおり、OpenAIは広告について「回答とは分離されており、回答内容に影響を与えない」と公式に明言しています。これはユーザーの信頼を守るための原則ですが、広告主の立場から読み直すと、次のことを意味します。

どれだけ広告費を投じても、ユーザーが「〇〇のおすすめは?」と聞いたときの回答本文に、自社が登場するようにはならない。

広告枠は買えます。しかし、AIが自発的に語る「推薦」は買えません。この2つはプラットフォームの設計レベルで分離されています。

7-2. ペイド(ChatGPT広告)とオーガニック(AIO/LLMO)の役割分担

したがって、AI時代の集客は2本立てで考える必要があります。

ChatGPT広告(ペイド)AIO/LLMO対策(オーガニック)
取りに行くもの会話の途中に現れる広告枠回答本文での引用・推薦
効果が出るまで短期(配信開始から即時)中長期(数か月単位)
コスト構造出稿を止めれば露出も止まる資産として蓄積される
主なKPIインプレッション、CTR、CPAAI回答での言及率、推薦順位
打ち手入札・コピー・コンテキストヒントコンテンツ構造、構造化データ、第三者言及

ここで前提となる用語を整理しておきます。AIO(AI Optimization)の主な対象はAI Overview+各種生成AI(AI検索全般)であり、AI Overview対策とLLM対策(その他AI対策)を合わせた総称です。目的は、AI検索全体で引用・紹介される状態をつくることにあります。

つまりChatGPT広告が「枠を買う」施策であるのに対し、AIO/LLMO対策は「引用される状態をつくる」施策です。目的が違うため、どちらかで代替することはできません。

7-3. 広告で来たユーザーが、AIに聞き直したときに何が起きるか

具体的な場面で考えてみましょう。

あるユーザーがChatGPTで業務改善の相談をしていて、自社の広告に接触したとします。社名を認識し、サイトを見て、検討リストに入れてくれました。しかし数日後、そのユーザーは再びChatGPTに戻り、こう聞きます。「この分野の主要なサービスを比較して」。

このとき回答本文に登場するのは、広告費を払った企業ではなく、複数の信頼できる情報源で一貫して言及されている企業です。ここで自社の名前が出てこなければ、広告費をかけて生み出した検討が、そのまま競合に流れる可能性があります。

バクリの海外リサーチチームが収集した事例でも、この構造への対応が成果に直結しています。デジタルマーケティング企業のGo Fish Digitalは、顧客がAIに投げるプロンプトを分析し、質問に直接答える構成へコンテンツを組み替えた結果、3か月でCVRが83%向上、AI経由の流入が43%増加しました。広告費を増やさずに得られた成果である点が重要です。

住宅設備・建材のLS Building Productsも、カタログ型のコンテンツを質問回答型へ転換しFAQを実装した結果、6か月でAI Overviewでの言及が540%増加し、年間40万ドル以上の広告価値に相当する露出を獲得しています。

8. ChatGPT広告と併せて着手すべきAIO/LLMO対策

では、回答本文で引用される状態はどうつくるのか。実務の優先順位で整理します。

8-1. AIが引用しやすいコンテンツ構造をつくる

生成AIは、質問に対する答えを複数の情報源から統合して提示します。そのため、問いに対して短く明確に答えている箇所が引用されやすくなります。

具体的には、次のような構造が有効です。

  • 「〇〇とは、△△です」という定義文を冒頭に置く
  • 結論を先に書き、理由と具体例を後に続ける
  • 比較は表形式で整理する
  • FAQセクションを設け、1問1答で簡潔に答える

カタログ的な自己紹介ではなく、ユーザーの問いに答える形式へ組み替えることが出発点です。前章のLS Building Productsの事例は、まさにこの転換によるものでした。

8-2. 構造化データとllms.txtを整える

AIがサイトの内容を正確に理解できるよう、技術面の土台を整えます。

  • Organization Schema:企業の基本情報と専門領域を明示する
  • FAQ Schema:Q&A部分を機械可読な形式でマークアップする
  • llms.txt:AIに向けて自社の概要と主要ページを整理して提示する
  • AIクローラーの受け入れ設定:robots.txtでGPTBot等を不用意にブロックしていないか確認する

最後の項目は、第4章で触れたOAI-AdsBotの話と地続きです。広告面でもオーガニック面でも、AIクローラーを受け入れられる状態がスタートラインになります。

8-3. 第三者メディアでの言及(サイテーション)を増やす

ここが最も効き、そして最も後回しにされやすい領域です。

LLMがあるブランドを推薦するかどうかは、複数の信頼できる第三者ソースで一貫して言及されているかに大きく依存します。自社サイトでどれだけ「当社は業界のリーディングカンパニーです」と主張しても、それだけでは推薦の対象になりません。

したがって、比較記事への掲載、業界メディアでの言及、プレスリリース、独自調査の発表といった、外部での言及を増やす活動が中心的な打ち手になります。自社サイトの改善と外部言及の獲得で迷ったら、外部を優先するのが基本方針です。

8-4. 施策の効果をどう可視化するか

AIO/LLMO対策の難しさは、成果が検索順位のような単一指標では測れない点にあります。「どのAIで、どんな質問のときに、どういう文脈で言及されるか」という多面的な状態を追う必要があります。

バクリ株式会社(AIO/LLMO対策専門のマーケティング会社)では、独自開発のAI引用可視化ツールにより、ChatGPT・Gemini・Perplexity等の主要AIにおける自社ブランドの言及状況をモニタリングしています。施策の前後で言及率と推薦順位がどう動いたかをデータで追える体制を組むことで、感覚ではなく実測に基づいた改善が可能になります。

バクリ株式会社の支援事例では、建設設計事務所がllms.txtの設置、サイト構造の再設計、エンティティ対策、外部サイトへの登録を実施した結果、施策開始から1.5か月でAI Overviewでの言及数が約3倍に増加し、対策キーワードの順位が平均18〜19位から3位まで上昇しました。

こうした施策は外部委託だけで完結させず、社内で運用できる体制をつくっておくことが、中長期のコスト効率を大きく左右します。

9. 【ユーザー向け】ChatGPTの広告を非表示にする方法

ここまでは広告主向けの内容でしたが、「使う側」として広告を消したい方も多いはずです。この章では設定方法を整理します。

9-1. 設定「広告の制御」からできること

ChatGPTの設定内にある「データコントロール」から、「広告の制御」という項目にアクセスできます。ここで広告に関する各種設定を確認・変更できます。無料プランのユーザーでも、自分で設定内容を確認できる仕組みになっています。

9-2. 上位プランへのアップグレードで消す

最も確実な方法は、広告対象外のプランに変更することです。「広告の制御」画面から「プランを変更して広告なしにする」を選び、Plus以上のプランへアップグレードすると、広告は表示されなくなります。

第1章の表のとおり、Plus・Pro・Business・Enterprise・Educationはいずれも広告の対象外です。

9-3. メッセージ上限を下げて広告なしにする

課金せずに広告を消す方法も用意されています。同じ「広告の制御」画面から「メッセージの上限を引き下げる」を選ぶと、1日にやりとりできる回数が減る代わりに、広告が表示されなくなります。

利用量と広告の有無を、ユーザー側が選べる設計です。再び利用量を増やしたい場合は、設定から広告表示をオンに戻せます。

9-4. 「広告のパーソナライズOFF」は非表示設定ではない(誤解に注意)

ここは間違えやすいポイントです。設定内にある「広告のパーソナライズ」をオフにしても、広告そのものが消えるわけではありません。

これは過去のチャット履歴や広告接触履歴を使ったパーソナライズを制限する設定です。オフにしても、現在の会話内容に応じた広告は引き続き表示される可能性があります。広告自体をなくしたい場合は、9-2または9-3の方法を選んでください。

10. ChatGPT広告に関するよくある質問(FAQ)

Q1. ChatGPT広告は日本でいつから始まりましたか? 

A. 2026年6月19日にOpenAI日本法人が広告表示テストの開始を発表しました。米国では同年2月9日からパイロットが実施されています。

Q2. ChatGPT広告の最低出稿額はいくらですか? 

A. 現在は最低出稿額が撤廃されています。開始当初は20万〜25万ドルでしたが、2026年4月に5万ドルへ引き下げられ、5月5日に撤廃されました。

Q3. 広告を出すと、ChatGPTの回答で自社が推薦されやすくなりますか?

 A. なりません。OpenAIは広告が回答内容に影響を与えないと公式に明言しています。回答本文での引用や推薦を狙う場合は、AIO/LLMO対策という別の施策が必要です。

Q4. どんな商材がChatGPT広告に向いていますか? 

A. ユーザーがChatGPTに相談しながら比較検討する商材と相性が良い傾向があります。ただし意思決定層が広告対象外の有料プランを使っている場合は到達しづらいため、自社顧客の利用状況を踏まえた判断が必要です。

Q5. ChatGPTの広告を無料で消すことはできますか? 

A. できます。設定の「広告の制御」から「メッセージの上限を引き下げる」を選ぶと、1日の利用回数が減る代わりに広告が表示されなくなります。

11. まとめ

ChatGPT広告は、2026年6月に日本での提供が始まった新しい運用型広告です。キーワードではなく会話の文脈にマッチさせる仕組みを持ち、最低出稿額が撤廃された現在は、規模を問わずテストを始められる状態になっています。単価が下がり、競合がまだ出そろっていない今は、確かに検証に適したタイミングだと言えるでしょう。

ただし、始める前に整えるべきものがあります。ピクセルまたはConversions APIによる計測基盤、この媒体専用に書き下ろしたコピー、そしてOAI-AdsBotを受け入れられるサイト設定。この3点が揃っていない状態で配信を始めると、後から振り返る材料が残りません。

そしてもうひとつ。広告枠は買えても、AIの回答本文での推薦は買えません。 広告で接触したユーザーが、後日あらためてAIに尋ねたときに自社が登場するかどうかは、広告予算とは別の軸で決まります。ChatGPT広告に取り組むのであれば、同じタイミングでAIO/LLMO対策にも着手しておくことが、投じた広告費を取りこぼさないための現実的な設計です。

まずは、自社が主要AIでどう扱われているかを把握するところから始めてみてください。現在地が分かれば、広告とオーガニックのどちらにどれだけ配分すべきかが見えてきます。

ChatGPT・Gemini・Perplexityで自社ブランドがどう言及されているかを可視化します。広告出稿を検討する前の現在地確認としてご活用ください。

まずは自社のAI検索対策状況を無料で診断しませんか?

バクリ株式会社の「無料AIOアセスメント」では、ChatGPT・Gemini・Perplexityにおける自社の引用状況と改善ポイントを10分で可視化します。

【お知らせ】4月17日(金)に弊社代表荒川が書籍を発売しました!
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    「ChatGPTに広告が出るようになった」 「GoogleのAIモードにも広告が入るらしい」 2026年に入ってから、AIの回答画面に広告を出す動きが一気に加速しました。検索とSNSに続く新しい広告面が、いま同時多発的に […]

    ChatGPT広告

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  • ChatGPT広告の運用代行とは?委託範囲・費用相場・おすすめ6社を徹底比較【2026年8月最新】

    ChatGPT広告の運用代行とは?委託範囲・費用相場・おすすめ6社を徹底比較【2026年8月最新】

    ChatGPT広告の日本での配信が2026年6月に始まり、「自社にノウハウがないので運用代行を頼みたい」というご相談が急増しています。新しい広告面で、しかも仕様が毎週のように変わる状況ですから、外部の力を借りたいと考える […]

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    費用・会社比較・内製化

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  • ChatGPT広告の代理店おすすめ10社比較|選び方7基準と丸投げできない仕様を解説【2026年8月最新】

    ChatGPT広告の代理店おすすめ10社比較|選び方7基準と丸投げできない仕様を解説【2026年8月最新】

    2026年6月にChatGPT広告の日本での配信が始まり、「社内にノウハウがないので代理店に任せたい」というご相談が急増しています。新しい広告面である以上、外部の知見を借りたいと考えるのは自然な判断です。 ただ、依頼先を […]

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