Webマーケティングの分析方法を活用事例つきで解説【分析の進め方7ステップも紹介】

「Webマーケティングの分析方法はどのように進めればよいのだろうか?」
「分析に使えるフレームワークと活用方法が知りたい」

Webマーケティングはよくも悪くもさまざまなデータを取得し、費用対効果の振り返りできるのが特徴です。

流入元やクリック率、コンバージョン率などをもとに精緻な分析ができれば、現状を正しく評価して効果的かつ具体的な改善ポイントを見いだせるようになります。

本記事では、そもそもなぜWebマーケティングには分析が重要なのか、分析と解析の違い、また、分析を円滑に進めるための各フレームワークを事例を交えつつ紹介します。

【Webマーケティングの分析方法について相談する】

Webマーケティング上、分析が重要な理由とは

はじめにWebマーケティングにおいて、なぜ分析が重要なのかを理解しておきましょう。

そもそも分析と解析の違い

そもそも「データ分析」と「データ解析」を混同してしまっている方も少なくありません。

分析と解析には、以下のようなシンプルな違いがあります。

  • 分析
    取得したデータ(数字)を把握すること(データを明確にすること)
  • 解析
    なぜその結果(データ)になったのか仮説をもって推測すること

Webマーケティングにおける「分析」とは、Webサイトのアクセス数やクリック数など、具体的なデータを収集し、それらの数字を明確にすることです。例えば、特定のキャンペーンがどれだけのトラフィックを生み出したか、あるいはどのページが最も閲覧されているかを把握することが分析にあたります。

「解析」は、これらのデータの背後にある原因や理由を探ることです。なぜ特定のキャンペーンが成功したのか、なぜあるページが人気なのかを推測し、その理由を解明する作業が解析となります。解析によって、改善点や新たな戦略のヒントを見つけ出せるようになるのです。

アクセス解析とはいいますが、アクセス分析とは言わないのは、データの背後にある仮説から根拠を導こうとする作業がメインとなるため、アクセス「解析」という表現になるのだと思われます。
アクセスデータを分析したところで、それは単に数字をレポートにしたに過ぎず改善に繋がる作業といえないからこのようなアクセス分析という表現はあまり用いられないのではないでしょうか。

すなわち、Webマーケティングにおいては、分析が「何が起こったか」を明らかにし、解析が「なぜそれが起こったのか」を解明するプロセスと言えます。この両方を上手く活用することで、より効果的なマーケティング戦略を立てることができるようになるでしょう。

Webマーケティングはリアルビジネスよりも効果測定がしやすい

冒頭でもお伝えした通り、Webマーケティングはリアルなビジネスよりも効果測定がしやすい特徴があります。

例えばWeb広告は、新聞やチラシなどの広告媒体と比較して、年齢や性別、エリアや趣味嗜好など細かくターゲットを絞った上で、そのWeb広告からWebサイトにどの程度の訪問数があったのか、どの程度のCVがあったのかなど計測することが可能です。また、リアルタイムで効果測定できるので、PDCAを迅速に回して費用対効果を高めていくこともできるでしょう。

Webマーケティングの施策に関して、しっかりと分析を行えるようになれば、自社の商品やサービスを必要としているターゲットに対して、効果的なマーケティングが可能になります。

Webマーケティングの分析方法と活用事例

ここではWebマーケティングの分析に使われることの多いフレームワークを、活用事例と合わせて見ていきましょう。

以下のフレームワークはWebマーケティングに関わらず多用されるものですが、Webマーケティングでも有効だという意味合いでご紹介します。

  • PEST分析
  • 5F分析(ファイブフォース分析)
  • VRIO分析
  • ファネル分析
  • RFM分析
  • 3C分析
  • SWOTクロス分析
  • STP分析
  • 4P分析

PEST分析

PEST分析とは、以下4つの外部環境が自社に及ぼす影響を分析して、Webマーケティングの戦略立案に活用するためのフレームワークです。

  • 政治(Politics)
  • 経済(Economy)
  • 社会(Society)
  • 技術(Technology)

外部環境が自社のビジネスに与える影響について分析できます。

WebマーケティングにおけるPEST分析の活用事例

<例>オンライン小売業
Political
(政治)
政府によるオンライン商取引に対する新しい税制や規制を調査する。
政治的な変化に対応するために、価格戦略やプロモーションキャンペーンを調整する。

EX)
ステマ規制
Economic
(経済)
消費者の購買力や経済の全体的な状況を評価する。
経済的な変動に応じて、割引や特別オファーを提供し、消費者の購買意欲を刺激する戦略を策定する。

EX)
インバウンド向けのターゲットの商材の価格調整
Social
(社会)
消費者のライフスタイルや購買行動のトレンドを分析する。
ターゲットオーディエンスの変化に合わせて、マーケティングメッセージやコンテンツ戦略を最適化する。

EX)
ショート動画を利用したマーケティング
Technological
(技術)
オンラインショッピングにおける新しい技術トレンドやツールを調査する。
新技術を活用してウェブサイトやモバイルアプリのユーザーエクスペリエンスを向上させ、オンライン上での販売促進を行う。

EX)
Shopifyのアプリを利用した機能で越境ECを実現

上記のような外部環境を把握できれば、自社のWebマーケティングの方向性を見定めることができるでしょう。ビジネスの初期段階で活用されることの多いフレームワークです。

ファイブフォース分析

5F(ファイブフォース)分析は、5つの脅威(フォース)となりうる要素を分析します。
外部要因と内部要因から業界の競争環境を理解するために活用できるフレームワークです。

  • 競合他社の脅威
  • 代替品の脅威
  • 新規参入の脅威
  • 買い手の脅威
  • 売り手の脅威

Webマーケティングにおける5F分析の活用事例

<例>フィットネス関連のオウンドメディアで収益を上げているモデルの場合
競合他社の脅威他の健康・フィットネス関連のオウンドメディアやブログ、ポータルサイトとの競争率を分析する。独自のコンテンツを作成し、SEOを強化して検索エンジンでのランキングを向上させる。また、ユーザーのエンゲージメントを高めるために、インタラクティブな要素(クイズ、チャレンジなど)を導入する。
代替品の脅威健康アプリや食事管理のオンラインプログラムなど、代替となり得る要素を収集して自社と比較する。オウンドメディアのコンテンツを他の情報源とは異なる独自性や専門性を持たせ、読者に付加価値を提供できるようにする。
新規参入の脅威新しい健康・フィットネス関連のオウンドメディアの立ち上げが容易かを検証する。自社ブランドの認知度を高め、読者との強い関係を築くことで、新規参入者が参入しにくい環境を構築する。
買い手の脅威買い手のニーズを理解して、複数のコンテンツを用意する。メールマーケティングやSNS運用なども取り入れて、ターゲットが満足するコンテンツを配信する。
売り手の脅威フィットネス関連で権威性をつけるために医師や栄養士、パーソナルトレーナーなどの監修者をつける。

5F分析は市場の競争環境を分析して、競争優位性を維持するための戦略を立てるときなどに使えるでしょう。

VRIO分析

VRIO分析は以下4つの要素から、企業が持つ資源や能力が競争優位につながっているかを評価できるフレームワークです。

  • 経済価値(Value)
  • 希少性(Rarity)
  • 模倣困難性(Inimitability)
  • 組織(Organization)

WebマーケティングにおけるVRIO分析の活用事例

<例>オンライン教育プラットフォーム
経済価値
(Value)
このプラットフォームは、ユーザーフレンドリーなインターフェースと高品質な教育コンテンツを提供することで、学習者に価値を提供している。また、独自のカリキュラムや専門的なコースを通じて、特定のニーズに応えている。
希少性
(Rarity)
プラットフォームが提供する一部のコースや、業界で認められた講師によるコンテンツは、他の教育プラットフォームにはない希少性を持っている。このような独自コンテンツは、プラットフォームを競合他社と差別化する要素となっている。
模倣困難性
(Inimitability)
オンラインプラットフォームが持つ技術的な専門知識、特許取得済みの学習アルゴリズム、または独自の教育手法などは、競合他社に容易に模倣できない要素となっている。
組織
(Organization)
プラットフォームは、効率的なコース開発プロセス、マーケティング戦略の実施、ユーザーからのフィードバックの収集と分析など、資源や能力を最大限に活用するための組織体制を整えている。これにより、持続可能な競争優位を実現している。

VRIO分析を行うことで自社の強みと弱みを理解し、市場での差別化ポイントを明確にできるようになります。

効果的なWebマーケティングを実現するために活用できるフレームワークです。

ファネル分析

ファネル分析とは、顧客が商品やサービスの購入に至るまでの流れを分析するフレームワークです。

ファネル分析には、ユーザーが商品を認知してから購買に至るまでの心理変化を示すAIDMAモデルを発展させた「パーチェスファネル」と、購買後のユーザーの行動を分析する「インフルエンスファネル」の2種類があります。

パーチェスファネルインフルエンスファネル
認知
興味・関心
比較・検討
購入・申込
継続
紹介(共有)
発信

Webマーケティングにおけるファネル分析の活用事例

Webマーケティングにおけるファネル分析の活用事例を、オンラインコスメサイトを例に見ていきましょう。

パーチェスファネルの活用事例は以下の通りです。

顧客の行動対策
認知見込み顧客がSNS広告やインフルエンサーマーケティングを通じてコスメサイトを認知する。SNS広告やインフルエンサーマーケティングなどで、自社のコスメ製品のプロモーションを行いブランドや商品の認知度をアップさせる。
興味・関心見込み顧客がコスメサイトへ訪問したり、商品ページを閲覧したりする。見込み顧客にパーソナライズされたキャンペーンを配信。自社製品の特徴やベネフィットを紹介して興味を持ってもらう。顧客レビューや評価コメントを掲載して信頼性を担保する。
比較・検討コスメ比較サイトや口コミサイトで、自社と競合他社の商品を比較検討する。自社サイトやSNSなどで、競合他社と比較したコンテンツを掲載。また、FAQセクションを作って、顧客が用意に比較検討できるようにする。
購入・申込比較検討した結果、購入に至る。顧客がストレスなく決済完了できるよう、複数の支払いオプションと申込画面を構築する。購入後のサンクスメールで感謝の気持ちと製品の使用方法やアフターサービスなどのフォローをする。

インフルエンスファネルの活用事例は以下の通りです。

顧客の行動対策
継続コスメ商品が気に入ったのでリピート購入する。定期購入のオプションやリピート購入に対して割引を提供するなど、継続購入につながるような施策を実行する。
紹介
(共有)
気に入ったコスメ商品を友人や知人に紹介する。顧客の紹介プログラム(ポイント還元やクーポンの適用)などを実施して、既存顧客が新規顧客を紹介してもらえる仕組みを構築する。
EX)
紹介キャンペーンなど
発信SNSや自分のブログサイトで、コスメ商品について使用感をレビューする。SNSでのハッシュタグキャンペーンなどを通じて顧客が自社の製品を発信しやすくなる仕組みを構築する。自社のSNSでも顧客をフィーチャーしたコンテンツを配信して、顧客が喜ぶ仕組みを作る。

顧客がどのような行動を取っているかを把握することで、Webマーケティングでどのような施策を打つべきかを明確にできます。

ファネル分析をしっかり行えば、各ポイントでのり離脱率やコンバージョン率を分析できるでしょう。

RFM分析

RFM分析は各顧客にパーソナライズされたマーケティング戦略を立てる際に便利なフレームワークです。

以下3つの要素から、顧客をセグメント別に分類します。
特にECサイトの分析で使われることが多いです。

  • 最終購入日(Recency)
  • 購入頻度(Frequency)
  • 購入金額(Monetary)

WebマーケティングにおけるRFM分析の活用事例

ランク最終購入日
(Recency)
購入頻度
(Frequency)
購入金額
(Monetary)
活用事例
A1週間以内20回以上20万円以上「VIP顧客」としてロイヤルティプログラムへの招待や専用のキャンペーンを実施する。
B2週間以内15回以上10万円以上新製品のプレビューへの参加を促し、顧客のフィードバックを求める。
C1ヶ月以内10回以上6万円以上定期的に特典を提供して関与を促進し、クロスセルを促す。
D半年以内3回以上3万円以上再活性化のためのクーポンやオファーを送り、購買頻度を高めるためのメールマーケティングを実行する。
E1年以内3回未満1万円未満再購入を促す特別オファーやディスカウント、関心を引き戻すためのキャンペーンを実施する。

データをもとに顧客を分類することで、それぞれの特性に合ったWebマーケティングが実現しやすくなります。

ここで似て非なる概念として、CPM分析という手法もあります。
CPM分析はCPM(Customer Portfolio Management:カスタマー・ポートフォリオ・マネジメント)分析です。
購入顧客属性を細かく10個のセグメントに分け、中長期目線で顧客育成を行うことを全手として分析を行う手法です。

  • 離脱初回客
    (初回購入してから一定の間購入がない顧客)
  • 離脱よちよち客
    (数回購入したよちよち客ですが、その後一定期間購入がない場合)
  • 離脱流行客
    (一定期間に数回購入し、その後一定期間購入がない流行客)
  • 離脱コツコツ客
    (ずっとコツコツと購入して頂いていたものの、ある時を境目に離脱してしまった顧客)
  • 離脱優良客
    (いわゆるロイヤルカスターにもかかわらず、どこかのタイミングで離脱してしまった優良顧客)

CPM分析と異なり、RFM分析は、見込みのない、いわゆる離脱顧客以外にアプローチする手法で、その差違は中長期目線で顧客を育成するかどうかを前提とした分析かどうかが異なります。

どちらもメリット、デメリットがあり、都度最適化分析手法を選択すると良いでしょう。

3C分析

3C分析は、以下3つの要素から自社を取り巻く環境を分析するためのフレームワークです。

  • 市場・顧客(Customer)
  • 自社(Company)
  • 競合(Competitor)

Webマーケティングにおける3C分析の活用事例

<例>オンライン旅行予約サイト
市場・顧客
(Customer)
・多様な目的地の選択肢と比較検討材料を求めている。
・サイトのセキュリティの向上が望まれている。
・複数の旅行プランの提供に期待している。
・顧客は従来のメールマーケティングに飽きている
自社
(Company)
・複数の旅行先と予算に合わせたプランをAIが自動で提案できる。
・顧客の性質に対して最適なメールマーケティングができており反応率は高い。
・業務が忙しく、新たな施策の実行ができずにいる。
競合
(Competitor)
・競合A社は自社と比較してサイトの使いやすさが際立っている。
・競合他社の一部は、独自のスマホアプリを通じて、リアルタイムに顧客にオファーできる仕組みを作っている。
・一部の競合はエコツーリズムやSDGsなどにフォーカスしたプランを提供して、差別化を図っている。

自社、市場、競合を客観的に分析できるフレームワークです。

Webマーケティングの戦略を俯瞰的に考えたいときに活用できます。

SWOTクロス分析

SWOTクロス分析はWebマーケティングの戦略立案から競合分析などにも活用できるフレームワークです。

以下4つの要素をもとに、内部環境と外部環境に分類して多面的に分析を行います。

  • 強み(Strength)
  • 弱み(Weakness)
  • 機会(Opportunity)
  • 脅威(Threat)

WebマーケティングにおけるSWOT分析の活用事例

強み(Strength)弱み(Weakness)
・先進的な製造技術と高い生産性
・品質管理における厳格な基準と長年の経験
・確立された供給チェーンと信頼できるパートナー関係
・労働力の不足や高い人件費
・一部の旧式な設備や更新の遅れ
・地域市場への過度の依存
機会(Opportunity)脅威(Threat)
・新興市場への進出
・環境に配慮した製品やプロセスへの需要の増加
・政府の補助金や産業政策による支援
・市場の飽和
・国際競争の激化
・為替レートの変動による原材料コストの上昇

自社の強みや脅威などを客観的に把握できる便利なフレームワークです。

当社でも他社にマネできない強み(USP)を発見するときに用いる分析手法です。

上記は当社の顧客の例ですが(詳細は見えないようにしておりますが)クライアント様の強み、USPを改めて明確にするのには欠かせない手法です。

STP分析

STP分析は、以下3つの異なる視点から商品やサービスなどを分析できるフレームワークです。

  • 市場の細分化(Segmentation)
  • ターゲット選定(Targeting)
  • 自社の立ち位置の明確化(Posithioning)

WebマーケティングにおけるSTP分析の活用事例

特にレッドオーシャン、協業ひしめく市場の中で以下に自社の強みを発揮して、強豪差別化を図るのか、そのために自社のポジショニングを見直し、特定のターゲットに強みを発揮するための分析となります。

<例>美容室
市場の細分化
(Segmentation)
・人口統計学的: 年代別、性別、職業や収入レベルに基づくセグメント化。
・心理的: ファッションやトレンドに敏感な人、価格や便利さを重視する人など、顧客の価値観に基づく。
・行動的: サロンの使用頻度や特定のサービス(カット、カラー、トリートメントなど)の好みに基づく。
ターゲット選定
(Targeting)
トレンドを重視し、定期的にサロンを利用する予算に余裕のある都市部の30代女性。
自社の立ち位置の明確化
(Posithioning)
トレンドに一手間加えた提案をして、ターゲットの満足感をアップさせる。

STP分析を行うことで、市場を理解し、適切な顧客層を特定して、自社の商品やサービスを効果的に販売しやすくなります。

Webマーケティングの販売戦略を立てる際に便利なフレームワークです。

4P分析

4P分析は以下4つの要素をもとに、Webマーケティングの戦略から具体的な施策やタスクを明確にできるフレームワークです。
非常にどんな場合でも使える、言い換えると使いやすいフレームワークです。

  • 商品・サービス(Product)
  • 価格(Price)
  • 流通(Place)
  • 販促活動(Promotion)

Webマーケティングにおける4P分析の活用事例

<例>宅配アプリ
Product
(商品・サービス)
・幅広い食料品や日用品をカバーする多様なインベントリを持つ。
・独自の配送網により、注文から配送までの時間を最小限に抑える。
・ダイエットや健康志向のユーザー向けのオーガニックや低カロリー商品の充実。
Price
(価格)
・複数のショップの価格が比較しやすく、質の高いサービスを提供。
・定期購入や大量購入での割引システムを導入。
・最低注文金額や配送料無料などのキャンペーンで注文を促進。
Place
(流通)
・迅速なローカル配送での利便性を強調。
・オンライン専用のプラットフォームで、24時間いつでも注文可能。
・多くの地域に及ぶ広範囲なサービス提供エリア。
Promotion
(販促活動)
・SNSやWeb広告を通じたプロモーションキャンペーン。
・ユーザーによるレビューや評価システムを活用し、口コミによる自然なブランド拡散を目指す。
・新規登録者向けの割引コードや紹介プログラムを提供。
※Web以外の販促活動もあれば明確にする。

4P分析を活用することで、市場での競争力を高めて顧客ニーズを効果的に満たすWebマーケティング施策を明確にできるでしょう。

【Webマーケティングの分析方法について相談する】

Webマーケティングの分析の進め方:7ステップ

ここでは、Webマーケティングの分析の進め方について見ていきましょう。

  • 目標設定:KGI・KPI
  • データ収集
  • データ分析
  • レポート作成
  • アクションプランの策定
  • 効果測定
  • 分析と改善

目標設定:KGI・KPIの設定

何はともあれ、ゴールです。
ゴールに向かって改善を行うわけなので、KGI、KPIあってこその分析となります。

目標を設定する際は、KGIとKPIという指標を活用するのが一般的です。

  • KGI(重要経営目標)
    <例>〇〇までに売上〇〇円を達成する
  • KPI(重要達成度指標)
    <例>目標を達成するためにサイトの流入数を1.5倍にする

KGIは最終ゴールで、KPIは中間目標といったイメージです。

ここで設定したKGIとKPIから逆算すれば、どんなフレームワークを使って分析すべきかも導き出しやすくなります。あらかじめ目的を絞り込んでおくからこそ、的を得た分析ができるようになるとも言えるでしょう。

データ収集

目標設定ができたら、分析に欠かせないデータを収集していきます。

冒頭でお伝えした通り、Webマーケティングは正確なデータを取得できるのが特徴です。
事前に仮説をもってどの辺りのデータを取得、どんなツールを使ってどんなデータを取っておくのかを明確にしておきましょう。

Webマーケティングのデータ収集に使われることが多いツールは以下の通りです。

  • Googleアナリティクス
  • サーチコンソール
  • ヒートマップツール
  • 競合分析ツール(ドックピットなど)
  • SEO流入分析ツール(hrefs、SEM-RUSHなど)
  • キーワード順位取得ツール(GRCなど
  • ECサイトの場合、自社の管理画面のデータ
    ※ECの場合その他様々なデータ取得ツールがありますが、ここでは一般論にとどめておきます。

場合によっては、ツールで取得できるデータのみでは不十分なケースもあるでしょう。

リアルなユーザーの声や市場感を掴みたいときは、適宜アンケートやインタビューなどの定性調査を行うことも大切です。リアルな声を収集できる反面、高額な費用がかかることもあるので、目標や予算などを考慮してデータ収集するようにしましょう。
ここでは、定量データのみならず定性データも必要と覚えておきましょう。

データ分析

データ分析では、収集したデータをもとに適切なフレームワークを用いて分析を行います。

例えば、Webマーケティングの効果を測定する場合、4P分析やSTP分析、SWOT分析などのフレームワークが使われることが多いです。どのフレームワークを使うのかは、マーケティング戦略の策定や競争優位の確立を目指すなど、目標や目的、業界や商材によって異なります。

客観性を担保するには、複数のフレームワークを組み合わせて異なる視点から分析を行うことが大切です。また、分析を行う際は、1名ではなく複数のチームメンバーと協力することで、より包括的で多角的な分析が可能となります。

データが抽象的すぎると感じる場合は、セグメント化して詳細な分析をすることが重要です。例えば、顧客データを年齢、性別、地域などで分けることで、特定の顧客層の傾向やニーズをより深く理解することができるでしょう。

あくまでフレームワークは目的(KGI、KPI)を達成するための分析手段にすぎません。
フレームワークありきでなく、必ずKGI、KPIから遡って考察するようにしましょう。

レポート作成

分析した結果はレポートとしてまとめておきます。

レポートを作成することによって、他の部門の人間や上司などと話し合う際もスムーズに話が進められるようになります。例えば、予算についてやスタッフを増員したいなどの相談をするときに便利です。
また、第三者の目線でレポートを見てもらうことで自身では気づけなかった点にも気づくことができるメリットもあります。

レポートは定期的に作成しておくことも大切です。

定期的にレポートを作成して見直せる体制を作っておくことで、自社のWebマーケティングがどのように成長しているのかを、俯瞰して時系列で確認しやすくなります。分析ツールや管理ツールを活用して、視覚的にわかりやすいレポートを効率的に作成できるようにしておくとよいでしょう。

アクションプランの策定

分析結果から具体的な改善リストを作成していきます。

例えば、コンテンツマーケティングであれば「どのようなコンテンツに改善すべきか」や「どんなタイミングでコンテンツを投稿するのか」などを決定していくイメージです。分析結果とKGI・KPIから逆算してロードマップを作成しておくとよいでしょう。

各タスクには優先度をつけることも大切です。

限られたリソースで目標を達成するために、何から着手すべきかを検討し、スケジュールに落とし込んでいきます。把握しやすいアクションプランを作っておくことで、Webマーケティングでブレるリスクを最小限にするようにしましょう。

効果測定

分析結果をもとに改善策をスタートしたら、しっかりと効果測定を行います。

何度もお伝えしている通り、Webマーケティングでは正確なデータを取得して分析することが大切です。改善策を実行したことで、具体的に何がどう進歩したのかを定期的にチェックします。

実行中の施策のパフォーマンスを随時測定しておけば、取得したデータから成功要因や失敗要因を見つけやすくなるものです。場合によっては改善策を途中で変更することもあるので、定期的にパフォーマンスをチェックできる体制を構築しておきましょう(この点BIツールなどを使うことも直近多くなってきているようです)。

さらなる分析と改善

目標設定〜効果測定までの工程を繰り返してPDCAを回して行くフェーズを指します。

Webマーケティングは、データをもとに詳細な分析を行えるのがメリットです。だからこそ、検証と改善を迅速に繰り返すことで、施策の費用対効果を素早く高めていけます。逆にPDCAを回さない場合、Webマーケティングのメリットは享受できないでしょう。

変化の激しいWebマーケティング市場では、ノウハウが陳腐化しやすい分野も多いです。定期的に分析を行って、時代に合った対策を講じてROIの最大化を目指していきましょう。

バクリからのワンポイントアドバイス

当社でインハウス支援を行う時も、そもそもCPAやLTVの計測土台から構築、見直すことが多々あります。その上で、現状がどうなっているのかを明確にしてから、仮説を立てロードマップを引いていきます。
改善の土台は分析にありです。
分析期間はWebマーケティングの要になります。改めて自社の分析基盤がどうなっているのかに目をむけて見るのもいいかもしれません。

今回の記事の学び

Webマーケティングは定期的な分析と改善を行うことが大切です。

適切なデータ収集、分析ツールの導入、フレームワークの活用により、顧客の行動や市場の動向を理解して、効果的なマーケティング戦略を立てられるようになります。

目的に合ったフレームワークを活用して細かい分析ができれば、施策の無駄なポイントをあぶり出して費用対効果を高めていけるでしょう。顧客行動の理解や自社に合ったターゲット選定、競合他社との差別化ポイントなど、分析結果をもとに戦略を立てることが重要です。

この際にはフレームワークは手段であって、フレームワークを使えばよいというわけではないことに注意しましょう。

分析を行う際は数字だけでなく、それらの背後にある意味を理解するようにしましょう。

Webマーケティングは効果測定と改善が迅速にできるメリットがあります。市場感や顧客のニーズにマッチした施策を実行できるようになるためにも、しっかり分析を行っていきましょう。

【Webマーケティングの分析方法について相談する】